ソフトバンク・柳田が復調の佐々木朗撃ち!改めて注目される王会長の〝ご利益〟

初回の第1打席、佐々木朗の初球を左中間席に叩き込んだ柳田

その〝ご利益〟が改めて注目されている。ソフトバンクは24日のロッテ戦(ZOZOマリン)に7―2の快勝。文句なしのヒーローは2発を含む3安打3打点の柳田悠岐外野手(32)だった。令和の怪物・佐々木朗希投手(19)との初対戦で、第1打席に初球153キロ直球を左中間席に叩き込む先制弾を放てば、6回には勝負強い打撃で殊勲の決勝打。「昨日寝れないくらい自分にいらだっていた」。前夜、同点の8回一死満塁で投ゴロ凡退。チームを勝利に導けず「勝敗を背負う立場」と自覚する男の悔しさは尋常ではなかった。

今も本調子ではない。むしろ先週までは「底」の状態にまで落ち〝王アラート〟が発動される事態だった。20日の日本ハム戦(ペイペイ)試合前練習。報道陣が見守る前で公開指導に出たのが、王貞治球団会長(81)だった。ベンチ裏ではなく人目につく中での指導は、事態の深刻さを物語っていた。長いプロ野球史の中でも稀代のスラッガーである柳田は、王会長を本気にさせる稀有な男。〝柳田ウオッチャー〟ゆえに「王会長の嗅覚はすさまじい」とチーム内では語り草だ。

悩める柳田に直接かける言葉は至ってシンプルで、かねて球団内ではそのタイミングの良さが注目されてきた。今回も「底」を見計らっていたかのような絶妙のタイミングで、主砲の尻に火をつけた。

この日の9回にはリーグ単独トップの18号を放ち、20日の日本ハム戦から4戦4発と〝ご利益〟を証明する活躍を見せている。〝鬼門〟とされるZOZOマリンでチームを勝ち越しに導いた柳田は「あまり波に乗れていなかったので、ここからどんどんチームが勝てるようにやっていきたい」と大暴れを誓った。チームとともに上昇気配漂う主砲の元気な姿に、王会長もご満悦のはずだ。

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