韓国の対日水産品輸入は約6割減、福島原発事故以降で...韓国の対日輸出は横ばい

2011年3月の福島原発事故以降、韓国による日本産水産物の輸入量が60%近く減少したことが分かった。

25日、韓国食品通信フォーラム(KOFRUM)によると、釜山貿易学部シム・ギウン教授チームが福島原発事故以降の韓国と日本の水産物取引について、両国の生産ㆍの消費ㆍ為替などの変数が日韓水産物貿易に与えた影響を分析した結果、60%近い減少が確認されたという。

2011年3月に発生した東日本大震災に起因する福島原発事故以降、日本産水産物の輸入が急激に減少した。事故発生前の2010年にさかのぼると、韓国の日本産水産物輸入額は2.26億ドルだったが、事故が起きた2011年と翌年の2012年には、輸入金額がそれぞれ2010年比で25.5%及び47.4%減少した。

2015年から日本産水産物輸入額の規模はやや回復したものの、事故発生前に比べると40%水準にとどまっている。数量ベースでは、2011年以降、日本産水産物の輸入が持続して減っており、2019年には2010年の輸入量(3万4904t)に比べ、39%のレベルに留まった。数量基準で2010年には8万4222tに達した韓国の日本産水産物の輸入だが、2011年には5万6310t、2012年3万9826t、2018年3万4904t、2019年3万2941tと右肩下がりとなっている。2010年比で輸入数量は約60%減少した。

金額ベースでも減少しており、2019年の輸入額は2010年比で60.6%のレベルだった。具体的には、2010年2.26億ドルで、2011年に1.69億ドル、2012年に1.19億ドル、2018年1.48億ドル、2019年1.37億ドルの日本産水産物が韓国に輸出された。

背景として、日本産水産物が放射能に汚染されているのではという恐怖が韓国人の消費を萎縮させた結果であると研究チームは説明した。続いて、韓国政府が2012年に断行した福島県周辺の8つの県産である50の水産物について輸入禁止した措置と、その後2013年9月に輸入禁止対象を8つの県のすべての水産物に拡大した措置などが、日本産水産物の輸入の減少を加速したものと推定した。

一方、韓国の水産物の対日輸出は、原発事故の前と後で、金額と数量ともに横ばいとなっている。日本の水産物総輸入額は、2010年(116.49億ドル)に比べて2011年に16.3%、2012年19.5%増加した。日本の水産物総輸入のうち韓国産水産物の輸入の割合は2010年の5.7%から2011年に5.4%、2012年5.1%となっている。

(参考記事:「韓国政府「日本産水産物の原産地表示違反が最も多い」 違反業者などが摘発」)
(参考記事:「韓国政府系メディア「香港は福島汚染水放流には批判的だが、食品輸入禁止については別」」)
(参考記事:「韓国が日本から水産物輸入を全面禁止を検討か…ムン大統領は日本大使に直接懸念伝える」)

(構成:KOREA ECONOMICS編集部)

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