コロナに感染した人が過ごす、療養施設の生活とは?!(コロナインタビュー 後編)

前編では、コロナに感染するまでの経緯や、陽性と言われてからの行動を皆さんにお伝えしましたが、今回は、療養施設に入ってから、完治までの経過と、部屋の様子、どんな風に過ごしていたか、ご飯はどんなものを食べていたのか?療養中こんなものが欲しかった、持って行って良かった!とコロナに感染して感じたことをお伝えしていきます!!

療養施設生活がスタート!

療養施設に着いて、少し休んでいると、スマホに電話が掛かってきました。施設の方から「今からオリエンテーションをするので7階に来てくださいね~」と言われました。「ここは学校か!」と声にならない気持ちでツッコミを入れましたが、むなしいだけなので、すぐに7階へ向かいました。到着し、エレベーターから出ると、窓や扉は、すべて全開!「真冬のことなので、めちゃ寒い!症状悪化するわ!」と思いながら、キョロキョロしていると、看護師さんに「座ってくださいね~」と促され、椅子に座りました。座った場所の、看護師さんと私の間には、しっかりとパーテーションで、区切られていました…。

まずは体温と血圧を測りました。この時も、”36.8度”と熱はなく、血圧も正常でした。オリエンテーションでは、これから毎日、ハーシスという新型コロナウイルス感染者管理システムに入力しないといけないことを知りました。7:00・15:00・20:00に体温、脈拍数、体調を記入し、送信します。「めちゃめんどくさい…」。看護師さんからは、「その時間に入力が無かった場合は、電話するから、忘れず入力してね~」と言われました。そのために使う、パルスオキシメーターの使い方を教えてもらいました。

これが、パルスオキシメーター。

毎日忘れずに測りましょう!

また、看護師さんとの連絡は、LINEでするそうなので、LINEを追加。これからお付き合いが始まります!オリエンテーションが終わったら、”保険証の写真””顔の写真””今飲んでる薬があれば”送ってくださいと言われました。また、何か必要なものがあったら、自分でネットを利用し、購入できること、差し入れをしてもらうことも可能ということがわかりました。そして、「ご飯は、毎回エレベーター前の机の上に、部屋の番号の書いた紙を貼っているお弁当があるので、取ってください。お水も、毎日2L のペットボトルを一緒に取ってください。」と言われました。「何かあれば、いつでも連絡してくださいね~」と、とても優しい看護師さんでした。

どんな部屋?何があるの?

部屋に戻ってきて、療養施設にはじめに来た時にもらった袋の中を確認。中には、トイレの除菌シートや、トイレットペーパー、スポンジ、袋、パルスオキシメーター、体温計、療養に関わる資料、マスク、消毒が入っていました。部屋は、1ルームで、テレビや、Wi-Fi、ポット、ドライヤー、冷蔵庫もある普通のお部屋。ですが、窓を開けることはできません!なので、室内はすごく乾燥します。看護師さんが「お風呂のお湯を溜めてもらってもいいですよ~」と言うほど。私は、加湿器を持ってきていなかったので、お部屋からネットで購入しました。購入したものは、療養施設に届くので、ご飯の時と同様に、部屋番号の書いた紙が置いてあるので、自分の部屋のものを持って帰ります。お部屋の外に出てもいい時は、ご飯を取りに行く時、ごみを捨てに行く時しかありません。なので、ほぼ部屋の中で生活することになります。「自由に好きなことができた、あの頃が懐かしい…」。

療養施設の部屋。

療養施設の廊下。

ごはんはどんなものが出てくるの?

ご飯の時間は、大体、おおよそ7:30・12:00・19:00。「ご飯の準備ができました」と、アナウンスが流れた後に、それぞれ各自でエレベーター前にあるご飯を取りに行きます。出る時は必ずマスクを着用。ご飯を取りに行くタイミングが一緒になった時、同じ療養中の人にばったり会うこともありましたが、話すことは一切なく、お辞儀程度でした。「無言の一体感」で微妙な空気が流れます。ご飯を取りに行きそびれると、「清掃が入るので、〇時まで部屋から出ないでください」というアナウンスが流れるので注意!

朝ごはんは、2日ごとに変わります、1種類目は、サンドウィッチやパン、ヨーグルトと野菜ジュースが出てきます。もう1種類は、おにぎり2つ、コーンスープ、牛乳。お昼ご飯と夜ご飯は、お弁当に味噌汁がついています。ポットでお湯を沸かして、お味噌汁を飲めますよ!お弁当だけでは、お腹いっぱいにならない!という方は、カップラーメンも置いていました。また、2Lで水が足りない方は追加でもらうこともできます。
私は、療養施設生活が始まる前から味覚が無かったので、どのおかずを食べても、味はしませんでした。「何を食べても味がしないのは辛い…」。味覚よ!早く戻ってほしい!と願ってましたが、なかなか戻りませんでした…。

ある日の朝ごはん。みなさん1度は食べたことがあるはず?!(笑)

ある日の夜ごはん。わりと豪華。女子ならおなかいっぱいに。

ある日の、お昼ごはん。野菜中心でヘルシー。

ある日の夜ごはん。お魚でした!

何もない部屋。1日どうやって過ごしていたのか??

私は毎朝、朝7時に「ハーシスを入力してください」というアナウンスと共に目を覚ましていました。体温、脈拍、体調を記入し送信し終えるともう一度寝ます。自堕落な生活。社内の皆さんは働いているのに…。
そんな感じで過ごしていたので、何度も朝ごはんを取りに行きそびれていました…。ごはんは撤収されることはなく、外に出られる時間になっても置いてあるのでそこは安心。
朝8時くらいになると、「体調はどうですか?困っていることはないですか?」と看護師さんから自分のスマホに電話が入ります。その際に、私は、ハーシスに”喉が痛い、鼻水が出る”と記入していたので、「薬を出しましょうか?」と言ってもらったので、もらうことにしました。薬は、荷物と同様に、ご飯と一緒に置いてもらえます。電話が終わると、外の景色を見たり、Netflixを見たり、友人と電話をしたり、ボーッとしながら過ごしました。そして、15時にまた、ハーシスに入力します。19時のごはんの時間までまた、先程同様に過ごします。ごはんの準備ができたアナウンスが流れると、ごはんを取りに行きます。そして、20時のハーシス入力の時間まで、お風呂に入ったり、ごみを捨てに行ったり、Netflixを見たりしていました。私の療養中の1日はこんな感じでした。

電話をしたり…

ゴロゴロ…

ついに待ちに待った、退所の時が!!

療養施設に入ってから、約10日間…、ついに出られるときが来ました!電話が掛かってきて、お医者さんからいくつか質問をされました。その内容は、

・今、全力で走ってと言ったら走れますか?
・今、歩いてみて息切れはしませんか?
・体がだるいなどないですか?

などなど。私は、この時、喉も痛くなく、鼻水も治っていて、味覚だけがまだ治っていない状態だったので、すべて「はい」と答えました!

「でしたら、退所しても大丈夫です。もう人に感染するウイルスはありません。公共交通機関に乗ってもらっても大丈夫ですよ」と言われました。お医者さんとの電話を終えると、療養施設の方から電話が来ました。「先程、お電話があったように、明後日、退所できますので、退所時の説明事項をお伝えします。」と言われました。

・自分の使っていた、ベッドシーツなどは、全部ごみとして捨てること
・退所時の朝にお風呂に入ること
・部屋を出る前に靴の裏、手にアルコール消毒をして出ること
・当日、部屋を出るタイミングは、廊下で人に会うとだめなので電話をしたらすぐ部屋を出ること

と言われ、電話を終えました。

そしていよいよ退所当日。言われたことを済まし電話を待っていました。すると、「外に出ないでください」というアナウンスが流れました。「一瞬、ドキッ!」。その後、電話がかかってきて、「外に出てもらって大丈夫です。エレベーターで1階まで下りて来てください」と言われたので、荷物を全部持って1階に向かいました。1階に着くと、マスクをしたおばあちゃんが「おつかれさまでした~」と言ってお見送りしてくれました。最後に、アルコール、体温計、パルスオキシメーターを返し、消毒をして自分の車に乗り込み、出発しました。これで、私の療養施設生活が終了!!久々の外の空気は最高!健康第一を改めて認識させられたほぼ2週間でした。

コロナに感染して感じたこと

再度コロナに感染しないように、手洗い、うがい、アルコール消毒、を必ず忘れずにするようになりました。今まで疎かにしていたことをしっかりできるようになったことや、自分の行動を改める機会にもなったと思います。
療養施設での生活は、本当に暇でした…。持っていけば良かったと思うのは、加湿器!です。付いている施設もあるかもしれませんが、絶対に持っていくのがおススメ!あとは、洗濯もできないので、タオルや下着、は多めに持って行ったほうが絶対にいいです!
私は、陽性と連絡を受けた次の日から、味覚が1か月半ほどずっとなかったので、いつ戻るのか少し不安でしたが、いつのまにか戻っていたので本当に良かったと思います!

この記事を読んで普段生活している中では、知ることのできないコロナに感染した人がどんな生活をするのか?もし自分がなってしまった時、どんな生活を送ることになるのか?が少しでも伝わっていたら嬉しいです。みなさんは、コロナに感染しないように、なるべく不要不急の外出は避けて、マスク、消毒、手洗い、うがいの徹底をしてください!

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