滋賀県から全国へ!誰もが知っている文具メーカーのSDGs活動

思わず懐かしくなる文房具

みなさん一度は手にしたことがあるであろう、こちらのCampusノート。実は、こちらは1988年に設立された[コクヨ工業滋賀]が製造されています。今回は、そんな歴史ある[コクヨ工業滋賀]が主催の、びわ湖を守るプロジェクト「ReEDEN(リエデン)」をご紹介。

新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、工場見学を中止されているため、オンライン取材で色々お話を伺わせていただきました。

滋賀県愛知郡愛荘町にある[コクヨ工業滋賀]では、環境保全に力を入れていて、生産ラインから排出される断裁クズのリサイクルや、工場内で発生するインキや糊の再利用、設備の電力使用量の削減など、とってもエコな取り組みをされています。

リエデンプロジェクト

REED(ヨシ)とRE(還す・帰る)とEDEN(楽園)を組み合わせた「ReEDEN(リエデン)」は、琵琶湖などの湖沼や河川などで生長するイネ科の植物ヨシを使った文具の企画・開発、ヨシ刈りボランティアなどの環境活動に取り組んでいる。

ヨシは環境に悪い植物だから刈り取っているのか?と思った方もいるかと思いますが、実はヨシ原は、生態系の保全や水質の浄化、豊かな景観を守り、CO2の吸収にも役立っているのです。そんなヨシは1年で枯れてしまう植物で、毎年刈り取ってやることで、翌年の新芽の生長を促しています。

昔は日よけや屋根の材料でよく使われていたが、ライフスタイルの変化や安価な輸入品の普及によって現代ではほとんど使われなくなったそうです。

奥まで続く豊かなヨシ原の風景。

原料となるヨシを刈る

[コクヨ工業滋賀]では、そんな大切なヨシ原を守り続けることができないかと考え、2009年に活動組織「ヨシでびわ湖を守るネットワーク」を設立。今では、ヨシが枯れる12 月~3 月に計3 回ヨシ刈りを行っており、地元住民やネットワーク会員、学校、公的機関も参加する県内最大級の規模に成長しているそうです。

2~4mもあるヨシを鎌で刈っていきます。

ヨシを束ねて集めていくとすっきり。

実際に私も[コクヨ工業滋賀]が行っているヨシ刈りに参加したことがあって、みんなで真剣に硬いヨシを刈っていたのを思い出しました。カマで刈った切り口が鋭いので、厚底の長靴に刺さってしまうことも(笑)。ヨシ刈りは、普段話したことがない人と同じ想いで協力するのが新鮮で、とても楽しい活動でした。これまで製品で使用した 236トンのヨシの3割が、このヨシ刈りで刈り取ったヨシだそうです。

ノートの製造風景をチェック!

写真はリエデンのヨシノート。

甲子園球場3つ分の広さの製造ラインを持つ[コクヨ工業滋賀]は、年間約1 億冊を販売するキャンパスノートの生産を支える「国内最大級」のノート工場です。皆さんも学生時代はお世話になったお馴染みのノートが完成するまでの流れをご紹介♪

①中身罫線を印刷します

②半分に折られた中紙が流れていきます

1本450kgもあるロール紙に罫線を印刷していく作業。ノートが作られる作業をみていると、ふと学生時代に愛用していたドット入りの罫線のキャンパスノートを思い出しました。そんな大好きなキャンパスノートが、[コクヨ工業滋賀]で作られていたことを改めて感じて胸アツです(笑)

③必要な枚数を揃えていきます

④表紙を重ねて糊付け、1 冊にカットし完成

紙も表紙も1冊分にカットしてから、つなぎ合わせていると思っていた私。なので、最後の工程のノートがつながっている光景は予想外で驚きました。現在はコロナで中止していますが、工場見学では「キャンパスノートの歴史・クイズを解きながら製造ライン見学・体験型実験」など大人も子供も楽しめる内容なので、参加できる日が来ることを願うばかりです。

老若男女問わず人気のびわこ文具

[コクヨ工業滋賀]から特別に、「ReEDEN(リエデン)」のノートと、琵琶湖をモチーフにした「びわこ文具」を送っていただきました♪大人になり文房具に触れる機会も少なかったので、学生時代に文房具を集めていた時の、ワクワクする気持ちを思い出して興奮(笑)

おしゃれなデザインで表現された滋賀の文具は、お土産に大人気。

琵琶湖の形をした付箋やクリップ、ヨシ紙と専用紙を貼り合わせた丸いコースター、など滋賀のお土産にぴったりな可愛い文具にテンションがあがります♪私のイチオシは、半透明の味わいのある袋に入った”歌かるた箋”というメッセージカード。大津市の「かるたの聖地」に由来した商品で、和紙のような風合いとデザインがとてもおしゃれ。

なんと!水性ペンでも背表紙に書くことができるんです。

ヨシを使った「ReEDEN(リエデン)」のノートは、普段使っているノートとほとんど変わらない白さと書き心地!独自の配合で、普通のノートと変わらない”使いやすさ”と”価格帯”を実現しているそう。気軽に環境に優しい紙を利用できることで、より多くの人に手に取りやすい商品となっている。

お話を伺った女性によると、ある展示会で、「コクヨの工場が滋賀にあるなんて知らなかった!」「何を作っているの?」「リエデンって何?」という声が多く、もっと色んな人に知ってほしいという気持ちがきっかけで、滋賀を愛する文具を作ろうと企画が立ち上がったらしい。そこで誕生した”びわこ文具”が人気となり、琵琶湖の環境保全に目を向ける方も増え、認知されるようになったという。
こんなにも滋賀の愛を形にして発信している会社は、きっと他に類を見ないのでは?これをきっかけに、みなさんも生活を支える琵琶湖の環境や、滋賀の良さを深く知ってみてはいかがでしょうか。

コクヨ工業滋賀からのお知らせ

コクヨ工業滋賀では、新たな取り組みとして、7/21(水)より、紙製品工場直営の通販・情報サイト「となりのひきだし」を開設されました。モノづくりの現場から、暮らしへつなぐ心地よい紙文具の販売・情報発信にチャレンジする。
サイトオリジナル商品の新ブランド「ドロッパ!」は、年齢を問わず描くことを楽しむ多様なツールが揃えられています。ぜひ、夏休みのお供にチェックしてみてください!

情報
[株式会社コクヨ工業滋賀] 住所:〒529-1203 滋賀県愛知郡愛荘町上蚊野312
HP:

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