加藤えのき(高岡)初期費用ゼロ太陽光発電推進 長州産業(山口)、樹昇(高岡)と連携

7月上旬の完成に向けて工場屋根に太陽光パネルを設置する業者たち=宮崎市高岡町・加藤えのき

 太陽光発電を通して「ウインウイン」の関係に-。加藤えのき(宮崎市高岡町、加藤修一郎社長)が初期費用ゼロで、工場屋根に太陽光パネルの設置を進めている。太陽光メーカーの長州産業(山口県)の維持管理方式で、樹昇(宮崎市高岡町、高橋利光社長)が施工管理する。毎月の使用料のみで太陽光のグリーンエネルギーを利用することができ、SDGs(持続可能な開発目標)の推進につながることが期待される。

 加藤えのきはエノキダケの生産量で西日本一を誇る。キノコの栽培は一定の温度で冷やす必要があるため、毎月の電気代は約1千万円、年間では1億円超に上る。工場や社屋の建設で太陽光発電の設置は後回しになっていたが、高橋社長の提案で導入が実現した。
 設置する太陽光パネルは2千枚。1時間あたり620キロワット発電するという。5月末に着工し、7月上旬に完成予定。長州産業の試算によると、太陽光の電気を利用すれば年間880万円の電気代を賄うことができる。長州産業への使用料は毎月約50万円で、年間約280万円を浮かすことができる。
 契約は17年間。長州産業にとってはその間の使用料で、設置費用を賄うことができる。契約終了後は、加藤えのきに無償譲渡されるという。
 初期費用がいらない太陽光発電の導入は、設置や導入企業が「ウインウイン」の関係に。加藤社長は「投資に優先順位があり、太陽光発電には積極的な投資をするまでには至らなかった。初期費用なしで導入できるのはとても良い提案」。長州産業新プロジェクト推進室の中西孝夫さんは「太陽光発電の再生可能エネルギーを利用でき、環境にも優しい。多くの企業に知ってもらい貢献したい」、高橋社長は「国が脱炭素社会を掲げる中、初期投資のリスクなしに太陽光発電を導入できることを知ってほしい」と話している。

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