海底にミステリーサークル出現 アマミホシゾラフグが巣作り 奄美大島

アマミホシゾラフグの雄がつくった二重円の産卵床=20日、瀬戸内町清水(興克樹さん提供)

 奄美大島と加計呂麻島の間にある大島海峡で、アマミホシゾラフグが繁殖期を迎えている。雄が海底に直径2メートルの二重円の産卵床をつくり、神秘的な光景が広がる。奄美海洋生物研究会の興克樹会長(50)=奄美市名瀬=が20日撮影した。

 2014年に確認された新種で体長約15センチ。産卵床は、繁殖期の5~7月、雌を引きつけたり、卵を潮の流れから守ったりするため、雄がひれで砂地をかき分けてつくる。

 興会長によると、産卵床は水深28メートルの海底で見つかり、雌が雄に寄り添って産卵していた。雄は卵がふ化するまでの6日間、産卵床を守るという。

 沖縄でも捕獲例があるが、産卵床が確認されているのは穏やかな海域が多い奄美大島近海だけ。興さんは「地元ダイバーにミステリーサークルと呼ばれ、観光客の人気も高い。海底が荒らさることがないよう見守っていきたい」と話した。

産卵床で寄り添うアマミホシゾラフグの雌(左)と雄(興克樹さん提供)
産卵床で寄り添うアマミホシゾラフグの雌(左)と雄(興克樹さん提供)

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