◆横浜DeNA3-0阪神
これぞ4番だ。初回に連敗ムードを一振りで吹き飛ばした。
2死三塁。オースティンが阪神・西勇の代名詞シュートを振り抜く。「感触は良かった」と、逆風を切り裂いて右翼ポール際付近へ運ぶ先制16号2ランだ。
昨季無安打に封じられた右腕の出はなをくじくと、六回には技ありのタイムリー。「強いスイングを心掛けた」と同じ球種を右前へ落としてみせた。
コロナ禍で、愛するステファニー夫人の来日は見通せないまま。「自分にとって奥さんは支え。長いこと会えていない。日本で再会したいよ」。募る寂しさを野球にぶつけてきた。
規格外のスラッガーは打率を3割3分2厘に上げ、リーグトップに立った。「チームに貢献したい。あすも同じエネルギーで臨みたいね」。
心優しく、闘志あふれる助っ人はどこまで数字を伸ばしてくれるのだろう。