長崎市 男児誘拐殺害から18年 献花台設置終了 遺族が感謝述べる

 長崎市で4歳男児が12歳の中学1年の少年に誘拐、殺害された事件から7月1日で18年を迎えるのを前に、市は25日、事件現場近くへの献花台設置を終了すると発表した。昨年はコロナ禍で中止しており、2019年の設置が最後となった。市は今月上旬、遺族に伝えた際、「今までありがとうございました」と感謝の言葉があったという。
 市こどもみらい課によると、市は事件が発生した03年から毎年7月、事件現場近くの市道に献花台を設置した。毎年、遺族の了解を得ており、手向けられた千羽鶴や手紙などは遺族に届けていたという。
 事件を契機に市内全小学校区に地域住民らが「子どもを守るネットワーク」を発足させ、7月1日前後の強調月間を中心に子どもたちを見守るパトロールをしている。コロナ禍で昨年と今年、強調月間の活動は中止したが、少人数で分散するなど地域で知恵を絞り、昨年度は延べ1万4331人が参加した。
 市はこうした「地域で子どもの安全・安心を守る」取り組みが定着したとして「献花台設置を終了しても事件を風化させることはない」と判断。同課は「今後も地域と活動に取り組み、教育委員会と連携し子どもたちに命の大切さを伝えていきたい」としている。


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