ヤングケアラー「54人」 市教委、教職員に聞き取り調査 長崎市議会

 定例長崎市議会は25日、一般質問が始まり、4人が登壇。橋田慶信教育長は、親やきょうだいの世話をしている「ヤングケアラー」の市内での実態について、教職員への聞き取り調査の結果、市立小中学校の児童生徒計54人が、その可能性があると明らかにした。今後、児童生徒へのアンケートなどを通して、詳細把握に努める方針。
 浅田五郎議員(明政ク)の質問に答えた。今月、市教委が独自に調査したところ、小学生23人、中学生31人がヤングケアラーの可能性があるとの結果が出た。
 具体的には「家族に代わり幼いきょうだいの世話をしている」との事例が最多。このほか、「病気や障害のある家族に代わって買い物や料理、洗濯などの家事をしている」「病気や障害のある家族の身の回りの世話」などが確認された。
 各学校ではこれまでも、登下校時や休み時間の過ごし方、服装など、児童生徒の様子を日常的に観察。気になる子どもについては教職員間の情報共有を密にし、家庭訪問をするなどして対応しているという。
 橋田教育長は「ヤングケアラーと思われる子どもに対して、学校だけでは十分な支援が難しいため、必要に応じて関係機関と情報を共有し、解決に向けて連携を強化したい」と述べた。

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