ミス・グランド・ジャパンのファイナリスト20人が福島第一原発の廃炉作業視察

処理水についての説明を受けたミス・グランド・ジャパンのファイナリスト20人

ミス・グランド・ジャパンのファイナリスト20人が26日、福島県の大熊町と双葉町にまたがる東京電力福島第一原発の廃炉作業を視察。海洋放出が決定している処理水などについて、経済産業省資源エネルギー庁の担当者から説明を受けた。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波の影響で、3つの原子炉がメルトダウン(炉心溶融)する最悪の事故に見舞われた1~3号機と、大きな損傷を受けた4号機の建屋を前にしたミス・グランド・ジャパンのファイナリスト20人は、テレビで見た光景に息を飲むばかり。担当者からの説明に熱心に耳を傾けながらも、どこか緊張の表情を隠せない。

それもそのはず、いまだガレキが散乱し、水素爆発で建屋の鉄骨がむき出しになった1号機まで直線距離にして約80m。あらかじめ決められた視察時間程度なら人体に危害はないとはいえ、それでも各自が身に着けた放射線量計がときどき鳴り響き、否が応でも緊張が高まるばかりの状況だった。

視察を終えて、女優とモデル、さらに看護師という3足のわらじを履く甲華江さん(24)は、「実際に廃炉作業が続く現場を目にしてみて、事故処理にかかわっている人たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。それと同時に多くの場所で放射線量が安全な数値になっていることを、もっと広めていきたいと思いました」。

また、大学生の小倉早貴さん(21)も、「実際にタンクがひしゃげていたりするのを見て、津波の威力をすごく間近で感じました。大変な事故だったけども、今があるのは当時から廃炉作業に関わってくださった現場の方々のおかげ。もっと多くの人に今も復興に向けて頑張っている方々がいることを知ってもらいたい」と感謝の言葉を口にした。

© 株式会社東京スポーツ新聞社