MotoGP第9戦オランダGP:ビニャーレス、レコードブレイクで今季初ポール奪取。中上貴晶は4番グリッドを獲得

 MotoGP第9戦オランダGPの予選がTT・サーキット・アッセンで行われ、MotoGPクラスはマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が2021年シーズン初となるポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、今季自己ベストとなる4番グリッドを獲得。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はQ1で転倒を喫し、20番グリッドで予選を終えた。
 
 フリー走行3回目は気温22度、路面温度25度のドライコンディション。前日のフリー走行2回目でハイサイドを喫したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は、問題なくこのセッションの最初から走行。ただ、マシンを降りて歩く際には、少し足を引きずっている様子だった。
 
 フリー走行3回目は、初日総合トップだったマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が序盤から1番手タイムをマークした。2番手にはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、3番手にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がつける。
 
 残り時間が15分を切ると、クアルタラロがビニャーレスのタイムを上回り、トップに立つ。残り時間が5分を切るころには続々とタイムの更新が始まった。しかし、依然としてトップはビニャーレス、2番手はクアルタラロという状況だ。
 
 ビニャーレスはそのままフリー走行3回目をトップで終えた。ここまで3回のフリー走行すべてでトップにつけている。2番手はチームメイトのクアルタラロ。3番手はポル・エスパルガロで、4番手には終盤のアタックでタイムを更新したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)だった。5番手がミル、6番手にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)がつけている。
 
 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はトラックリミットを超過してタイムを記録できずにいたが、残り時間1分で暫定5番手タイムを記録し、最終的に7番手。ヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)はセッション序盤に3コーナーでクラッシュを喫し、11番手、マルク・マルケスは最後のアタックのとき、16コーナーを突っ切ってコースに復帰する形になり、15番手だった。
 
 フリー走行4回目はクアルタラロがトップ、ビニャーレスが2番手。フリー走行3回目とはポジションを入れ替える形で、ヤマハファクトリーのライダーふたりがトップ2につけた。3番手はオリベイラ、4番手はアレイシ・エスパルガロ、5番手はミル。中上は6番手、マルク・マルケスは8番手だった。

2021年MotoGP第9戦オランダGP マルク・マルケス、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)

 

■マルク・マルケスが予選Q1で転倒。20番手に沈む

 予選Q1は、気温26度、路面温度37度のドライコンディション。マルク・マルケス、ザルコ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)などがQ2を目指したタイムアタックをスタートさせた。
 
 前半のアタックを終え、バニャイアがトップ、2番手にはホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)がつける。マルク・マルケスはトップから0.94秒差の6番手。チャンピオンシップで2番手につけるザルコは、タイムを記録できていない状況だった。
 
 残り時間5分を切ると、ライダーたちはほとんど一斉にピットから出てコースイン。ザルコの後ろにはマルク・マルケスがついて走っていたが、さらにそのマルク・マルケスのうしろにイケル・レクオーナ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)がつけ、最終セクターでマルク・マルケスを交わすと、レクオーナは2番手タイムを記録した。
 
 マルク・マルケスはその翌周もレクオーナの後ろで走っていた。しかし、9コーナーでクラッシュ。この時点で残り時間は1分になっており、マルク・マルケスはQ1で予選を終えることになった。
 
 Q2をかけたタイムアタックは、最後のアタックでザルコがタイムの更新に成功。バニャイアのトップタイムを上回った。ザルコがトップ、バニャイアが2番手で、ドゥカティライダーのふたりがQ2に進出した。
 
 レクオーナは惜しくもQ2を逃したものの、3番手。今季ベストグリッドとなる13番グリッドを獲得した。マルク・マルケスは転倒を喫して10番手となり、20番グリッドに沈むことになった。
 
 Q2の序盤では、クアルタラロがトップタイムをマークし、ビニャーレスが2番手。ここでもヤマハライダーふたりがトップ2につけるところから始まった。クアルタラロは1分31秒922を叩き出し、このタイムでオールタイムラップ・レコードを更新する。これまでのレコードは、2019年に自身が記録した1分32秒017だった。
 
 残り時間4分、いち早く後半のアタックに入っていたビニャーレスが、クアルタラロを0.108秒上回るタイムを叩き出す。ビニャーレスは1分31秒814をマーク。トップに躍り出た。一方、クアルタラロは最後のアタックに入る。ポールポジション争いは、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのチームメイト同士が激しい火花を散らすことになった。
 
 ビニャーレスは、そのままポールポジションを獲得。2021年シーズンで初めてポールシッターとなった。クアルタラロは最後のアタックでセクター2までタイムを詰めたが、タイム更新はならなかった。しかし、2番手を獲得し、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPが1番手、2番手のグリッドを占めている。
 
 最後のアタックでタイムを縮めたバニャイアが3番手。バニャイアはQ1を突破してフロントロウを獲得した。中上は、残り1分で3番手に浮上したが、バニャイアにそのタイムを更新された。しかし、4番グリッドを獲得。今季自己ベストとなるグリッドを獲得し、2列目から明日の決勝レースを迎える。

2021年MotoGP第9戦オランダGP マーベリック・ビニャーレス、ファビオ・クアルタラロがフロントロウ
2021年MotoGP第9戦オランダGP マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がポールポジションを獲得
2021年MotoGP第9戦オランダGP バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)
2021年MotoGP第9戦オランダGP フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)

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