長崎出身アイドル 欅坂46・長濱ねる「ふるさとの良さ全国に」 2017年の抱負語る

「大好きな長崎県を全国にもっともっと知ってほしい」と語る長濱ねる=東京都内(木村琢也撮影)

 昨年4月のデビューCD「サイレントマジョリティー」をはじめ、記録的なヒットを飛ばすアイドルグループ「欅坂46」。デビュー8カ月で、NHK紅白歌合戦にも初出場した。メンバーの一人、本県出身の長濱ねるは、癒やし系の優しい雰囲気とテレビのバラエティー番組で見せる知的な一面など、あふれる魅力で人気上昇中。この1年の活躍やふるさとへの思い、今後の抱負を聞いた。

 人生の転機は高校2年生の夏。空港でカウンター業務に従事するグランドスタッフに憧れ勉強に励んでいたが、「『別の世界に行ってみたいなあ』と淡い気持ちで」欅坂46のオーディションに申し込んだ。
 とんとん拍子で進んだ東京での最終審査を前に、家族の反対で長崎に連れ戻された。「せっかくだから頑張りたい」と両親に情熱をぶつけて説得。上京し、15年11月に「欅坂46」のアンダーグループ「けやき坂46」の一員として活動をスタートさせた。
 歌やダンスの練習に始まり、ライブ、ファンとの握手会、テレビ出演など、慣れない東京で慌ただしい生活を送った。「すごく濃密であっという間。1年前のことが大昔のように感じる」と振り返る。
 昨年夏、欅坂46の2枚目のCD「世界には愛しかない」で、カップリング曲として初のソロ曲「また会ってください」を収録。そのミュージックビデオ(MV)が長崎市内で撮影された。眼鏡橋、南越のバス停、高浜海水浴場などのロケ地を県観光連盟がインターネットで紹介しており、「ファンの方がそれを見て『長崎行ってきたよ』と言ってくれるんです」と喜ぶ。
 「街も空気もきれいで、海も山もある長崎が大好き。全国に長崎をアピールしたい。幼少期に過ごした五島の海で、MVも撮ってみたい。長崎でも欅坂46の単独ライブをして、地域活性化のお役に立てれば」と、今後の抱負には郷土愛がにじむ。
 「いつか発信したい」という思いがもう一つある。
 「祖母から被爆体験を聞いて育った。東京では原爆のことを知らない人が多くて驚いた。高校生1万人署名活動や平和の大切さを全国に少しずつ伝えたい」
 あどけない外見と、広い視野。このギャップこそ、長濱ねるの最大の魅力なのかもしれない。

 

 【略歴】ながはま・ねる 1998年、長崎市生まれ。「ねる」は「考えを練る」「熟考する」という意味を込められた本名。両親の転勤により五島市など県内各地で育つ。2015年11月、アンダーグループの「けやき坂46」に加入。2枚目のCD「世界には愛しかない」に「欅坂46」のメンバーとして参加。現在は欅坂46、けやき坂46を兼任する。

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