スズキ・アルト(軽乗用車)でお試し「バンライフ!」 車中泊仕様にDIYした作業工程を一挙大公開!

近年日本でも注目を集めている「バンライフ(VAN LIFE)」と言うスタイル。車の中にお気に入りのものや生活に必要な最低限のものだけを集めた空間は、自分だけの秘密基地みたいでワクワクしますよね!...とは言え、バンを持っていない筆者。そこで、「本格的じゃなくても気軽にバンライフを味わいたい!」と思い立ち、愛車スズキ・アルト(軽乗用車)を車中泊仕様にDIYしてみることに。「とにかく寝れればオッケー!」な方は、ぜひ参考にしてみてください。

軽バンじゃない愛車「スズキ・アルト」を車中泊仕様にDIY! 後部座席フラット化で快適空間作り

旅好きで、どこでも寝れることが特技の私。キャンプでのテント泊はもちろん、空港泊や野宿、寝台列車など様々な場所で寝てきました。そんな私の考える車中泊に必要な条件は、以下の4つです。

●床がフラットなこと
●クッション性があること
●足を伸ばせること
●プライバシーが確保できること

必ずしもすべての条件が揃わなくても、これらをなるべく満たすことで快適な寝床が作れます。

今回DIYする私の愛車は、軽バンじゃないスズキ・アルトです。車内なのでプライバシーの確保は良いとして、残り3つの条件を満たすべくDIYしていきます!

筆者撮影
筆者撮影

車中泊仕様DIYに必要な材料は? 木材や釘・足元の支え(発泡スチロール)など車に合わせて用意しよう

今回私がDIYするのに用意した材料は、以下の通りです。

【材料】
・厚さ1㎝のベニヤ板
(車の大きさに合わせたサイズ)
・釘
・蝶番4つ
・角材
・発泡スチロール※足元の支え用
(レンガ・ブロックタイプ)

車の大きさやDIYの方法によっては必要な材料も異なりますので、あくまで参考程度に……。どういう形にするかをイメージしてから材料を用意しましょう。

【車中泊仕様DIY/工程①】後部座席の座面を取り外しフラットなスペースを作る!

2020年に購入した愛車スズキ・アルトの後部座席(背もたれ)を前へ倒しても、残念ながらフラットにできません。座面部分の膨らみで若干斜めになります。

少し前のアルトはシートを倒せばほぼフラットにすることが可能だったようですが...。

後部座席の様子筆者撮影

そこでフラットにするために、後部座席のシート(座面)を外します。アルトの場合、中央で引っ掛かっているホックを外すように持ち上げると簡単に外せました。

ホックの位置や外し方は車種によって異なると思いますので、ご自身で調べる必要が出てきます。

取り外した後部座席の座面筆者撮影

外したシート(座面)は、こんな感じです。

後部座席のシート(座面)を取り外した車内の様子筆者撮影

背もたれ部分は外さずそのままで大丈夫です。座面がない状態で背もたれを倒すと、ほぼフラットな状態になります。

【車中泊仕様DIY/工程②】足を伸ばせるスペースを確保して設計図を描く!床材の大きさ&配置を決める

後部座席の座面を取り払い床がフラットになったら、幅・奥行き・高さをそれぞれ測定します。

ざっくりフリーハンドで〝フラットな空間の〟設計図を描き、床材の大きさを決めます。

筆者撮影

優先順位は人によって異なると思いますが。筆者にとって何よりも大切なのは足が伸ばせること!

足さえ伸ばせれば、少しくらい床がデコボコで硬くても眠れるくらいです。大きな車であれば縦になっても足を伸ばせますが、アルトは小さいので斜めになって寝ることにします。

最大限のスペースを確保するため、扉の凹凸も考慮しながら計測すると以下のようになりました。

フリーハンドで描いた〝フラットな空間の〟設計図筆者撮影

使わないときはバラバラにして積めるようにしたいので、ベニア板は以下のように分けることにしました。

〝フラットな空間の〟設計図を元に描いたベニア板の配置図筆者撮影

【車中泊仕様DIY/工程③】大きな板材の切断はホームセンターで!細かな調整は自分で加工する

木材はホームセンターで購入し、指定した寸法でカットしてもらいました。大きな板材を自分で切るのは大変なので、お任せすると一気にDIYの手間が省けます!

ホームセンターによりますが大体1カット50円ほどで切ってもらえるので、あらかじめ寸法を測ってから木材を買いに行くのがおすすめです。

大まかなカットはしてもらいましたが、細かい調整は自分でします。扉の凹凸にフィットするように切っていきます。

筆者撮影
筆者撮影

すべての木材が揃ったら、一度並べてみましょう。扉を閉めてきちんとスペースに収まるかを確認します。

私はなぜか設計図通りにいかず、少しずつ調整しました…。左右非対称でも寝れればOKということで進めていきます。

筆者撮影

切り終わったら、運搬や組み立て時に手を傷つけないように木材の端をサンダーでなめらかにします。

サンダーだけでもトゲが刺さることはなくなりますが、まだ鋭利な角なので、よりなめらかにしたい場合はカンナも使いましょう。

サンダーを使っている様子筆者撮影

【車中泊仕様DIY/工程④】足元部分を安定させる! 発泡スチロールのレンガやブロックを利用

後部座席があった足元部分の板材は、折りたためるように蝶番でつなげます。左右対称になるようメジャーで測って印をつけます。

筆者撮影

ネジで留めます。足を乗せてもぐらつかないよう、蝶番は大きめで穴が片側3つあるものを選びました。

筆者撮影

発泡スチロールレンガやブロックは、足元部分の支えに使います。

筆者撮影

ボンドでこのような形にくっつけて、乾燥させます。

木工用ボンド使用筆者撮影
発泡スチロールのレンガとブロックを接着筆者撮影

足元の支えは、ちょうどよいサイズで安定感があるものなら何でも良いです。サイズが合えば、折り畳み式の脚立や椅子なども使い勝手が良さそうです。

【車中泊仕様DIY/工程⑤】ベニア板を車内に入れ敷き詰めればフラットな床が完成!

素材がそろえば、あとは車内に入れ敷き詰めるだけです。アルトは座席を倒しただけだと若干傾きがあったので、角材を挟んで調整しました。

背もたれを前に倒して角材を挟んでいる様子筆者撮影

足元には発泡スチロールの支えを置きます。

筆者撮影
筆者撮影

あとはパズルのように木材を並べていくだけです。

筆者撮影

安いベニヤ板なので若干湾曲しているものの、フラットな床が完成しました!

筆者撮影

あとは快適に寝られるように、布団やマットを敷くだけです。我が家にはちょうど良いサイズの布団がなかったのですが、シングルの折りたたみマットを敷いてみました。

筆者撮影

マットレスでも十分ですが、エアーマットがあればもっとクッション性が増して快適に眠れそうです。

実際に横になってみるとこんな感じ。身長163㎝の筆者だと、十分足を伸ばして眠れます!

筆者撮影

小さな軽自動車でも快適な車中泊ができる!簡単DIYで気軽にバンライフ気分を味わおう

筆者撮影

今回は、小さな軽自動車を車中泊仕様にDIYした行程をご紹介しました。大きな車を運転する自信もなければ、買うお金もDIYの経験もない!そんな「無い無いづくし」の状況でも、なんとか車中泊できる空間をDIYできました。

おしゃれなバンライフとまではいかなくても、工夫次第で快適に過ごせるはず。せっかくなら自分好みにカスタマイズする過程も楽しんじゃいましょう。

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