【RIZIN】青木真也が天敵・皇治の頭突き3発を徹底究明「彼を『令和の大木金太郎』と呼びたい」

皇治(手前)は決勝の白鳥戦でも2度のバッティング

疑惑の頭突きはなぜ起きたのか? 格闘技イベント「RIZIN.29」(27日、丸善インテックアリーナ大阪)で注目を集めた「キックワンナイトトーナメント」は、〝キック界のドン・ファン〟こと皇治(32)が反則行為のバッティング(頭突き)を3度も繰り出し、またもや格闘界を揺るがす事態となった。天敵に賛否両論が渦巻く中で、〝バカサバイバー〟青木真也(38)が放っておくはずがない。さっそく、問題となった2試合を徹底究明だ。

「俺は彼を『令和の大木金太郎』と呼びたい」。開口一番、青木は原爆頭突きを武器に人気を集めた往年の名レスラーの名を拝借し、天敵に新たなニックネームを命名した。その上で大会を「いやー、すごかったね」と振り返り始めた。

では毒ガス噴射前に簡単に振り返っておこう。トーナメント1回戦で皇治は、梅野源治(32)に開始早々バッティング。頭部がもろに顔面に入った梅野は試合続行不可能となり、開始わずか43秒でノーコンテスト裁定が下された。

協議の結果、決勝は1回戦で高橋亮(25)にKO勝ちした白鳥大珠(25)と皇治の対戦となった。しかしここでも皇治は2度のバッティングのほか、ローブロー(金的)や後頭部への打撃を繰り出し警告が与えられた。

ただし白鳥の致命傷にはならず、1ラウンド(R)にダウンを喫した皇治が判定0―3で完敗。試合後は白鳥と梅野だけでなく、ファンに何度も謝罪の言葉を述べ「引退? そういうこともしっかり考えなければいけない」と口にした。

そもそもなぜ3度もバッティングは起きたのか? 故意なのか? その問いに青木は珍しく真面目なトーンで説明した。

「皇治は接近戦が得意で、梅野は遠くから戦うのが得意。だから皇治は頭を下げて飛び込んで距離を詰めるしかない。これに対してムエタイの梅野はヒジで迎撃するのが得意なんです。入られても首相撲とヒザがある。でも今回のトーナメントはキックだから全部禁止。つまり梅野には迎撃する方法がなかった。だから当たってしまった。『故意か?』と言われればそういうこと。我らが皇治さんは相手の盲点を突いたってことです。さすがですよ」

最後のひと言が気になるが…続いて決勝の分析だ。「基本、白鳥も同じなんですけど、梅野との違いは、もともとこのルールでやっているってこと。だから頭を下げて飛び込まれた時の対応を持っていて、致命傷にならなかった。それでも2発食らっちゃったわけです。そう考えると、去年(9月に)対戦して1発も頭突きをされなかったナスガワさん(那須川天心)がすごいってことになる。全部見えててかわしてたから」

狙ってはいないものの、いわばグレーゾーンというところか。そして青木は、天敵が引退を示唆したことに対し「プロレスなら頭突きができるからこっちに来たほうがいい。引退するなら電流爆破で復帰戦じゃ!」と絶叫した。

さらに7月日のDDT東京・新宿フェイス大会でクリス・ブルックス(29)のEXTREME級王座挑戦が決まったとして「そこで俺が取ったらV1戦で指名する。(ルールを王者が決められるから)K―1ルールで勝負だ。もし拒否したら、皇治さんのジムに押しかけて(現在保持する)アイアンマンのベルトをかける! 引退しないでほしい」と呼びかけた。

何はともあれキック界のドン・ファンはこのまま終わってしまうのか、それとも――。今後の動向に注目だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社