2021年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップの開幕戦となる岡山大会(第1戦〜第3戦)が6月26〜27日に岡山国際サーキットで開催され、片山義章(OIRC F111/3)が3連勝で岡山大会を完全制覇。マスタークラスは田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)が第1戦/第2戦を、DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)が第3戦を制している。
* * * * * * * *
■第1戦:2番グリッドスタートの片山義章がFRJデビュー戦を制する
6月26日に行われた2021年シーズンの開幕レースとなる第1戦は直前に小雨が降るもドライコンディションのままスタートを迎えた。
25日に行われた公式予選でポールポジションを獲得した塩津佑介選手(Power s MP F111)がホールショットを守り、2番手に片山、3番手に古谷悠河(TOM’S YOUTH)と上位勢はグリッド順のまま1コーナーを通過。
そんななか、岡山をホームコースとする片山がハイペースで塩津の背後につけると、バックストレートエンドのヘアピン立ち上がりで塩津をかわし、早々にトップに浮上する。24日に初めて童夢F111/3ドライブしたという塩津は続く2周目には古谷にもかわされ、ポジションを3番手まで落としてしまうことに。
一方、先行する片山は1分26秒台を連発して2番手古谷とのギャップを着々と広げにかかった。
そんななか、6周目にマスタークラス3番手争いを展開していた畑享志(F111/3)とDRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)が絡むアクシデントが発生。畑はピットでのダメージ修復を強いられ、DRAGONはレッドマンコーナーでマシンを止めてしまう。
18周の第1戦決勝は片山が14.6秒という大差を築いてトップチェッカーを受けた。2位には古谷、3番手には塩津が続いた。終盤、塩津を猛追した三浦愛(ARTA F111/3)だったが、オーバーテイクには至らず、4位でチェッカーを受けている。
マスタークラスは今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がトップチェッカーを受けるも、スタート手順違反により10秒加算ペナルティが課され、クラス2番手でチェッカーを受けた田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)がマスタークラスを制した。クラス2位に今田、3位にTAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)が続いた。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第1戦岡山国際サーキット 決勝レース結果(編集部集計)
Pos M No Driver Car Name Laps Grid
1
6 片山義章 OIRC F111/3 18 2
2
28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 18 3
3
87 塩津佑介 Power s MP F111 18 1
4
8 三浦愛 ARTA F111/3 18 4
5
22 伊藤鷹志 RaiseUPF111/3MT 18 8
6
1 L.アレン Sutekina Racing 18 5
7 M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 18 6
8 M 27 今田信宏 JMS RACING with B-MAX 18 7
9 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 18 10
10 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 18 12
11 M 34 三浦勝 CMS F111 18 13
12 M 7 畑享志 Super License 16 11
13
45 辻子依旦 PONOS Racing 15(16-1) 14
M 30 DRAGON B-MAX ENGINEERING FRJ 5 9
天候:曇り 路面:ドライ
ファステストラップ:片山義章(OIRC F111/3) 1’26.614(12/18)
*ゼッケンNo.27は2021 FORMULA REGIONAL選手権 第1戦/第2戦/第3戦 ブリーフィング資料 スタート進行表(スタート手順違反)により、10秒を加算した。
*ゼッケンNo.45は、FIA 国際モータースポーツ競技規則 付則 H項 第2章 2.5.5.1 b)(黄旗区間中でのスピン)違反により、決勝結果に対して1周回減算とした。但し、実周回数が16周のため完走扱いとした。
■セーフティカースタートとなった第2戦は片山がポール・トゥ・ウイン
翌27日午前に行われた第2戦決勝は前日の夜に降った雨の影響でコースの一部が濡れている難しいコンディションとなり、安全確保の観点からセーフティカー先導でのスタートとなった。
セーフティカーは3周目終わりに解除となり、4周目にリスタートを迎えると、ポールポジションスタートの片山がポジションを守ったまま1コーナーを通過。2番手に古谷、3番手に三浦、4番手にルッカ・アレン(Sutekina Racing)と予選順位のまま続く。
そんななか、12番手で続くDRAGONがマシントラブルによりピットイン。修復を経てコースに復帰するも上位争いからは脱落してしまう。
中盤、片山と古谷のトップ2台は一進一退の攻防を繰り広げる。古谷は前日の第1戦を上回るハイペースで片山を追うも、勢いは片山にあった。毎周着々とギャップを広げた片山は古谷に対し2秒161差を保ち、18周目のトップチェッカーを受けてFRJ2連勝を決めた。2位には古谷、3位は今季初表彰台となった三浦愛が獲得している。
マスタークラスはクラストップの5番グリッドからスタートした田中が初のクラス優勝を獲得。2位にはTAKUMI、3位には今田が続いた。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第2戦岡山国際サーキット 決勝レース結果(編集部集計)
Pos M No Driver Car Name Laps Grid
1
6 片山義章 OIRC F111/3 18 1
2
28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 18 2
3
8 三浦愛 ARTA F111/3 18 3
4
1 L.アレン Sutekina Racing 18 4
5
87 塩津佑介 Power s MP F111 18 11
6 M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 18 5
7 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 18 7
8 M 27 今田信宏 JMS RACING with B-MAX 18 9
9 M 7 畑享志 Super License 18 8
10 M 34 三浦勝 CMS F111 18 10
11 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 18 13
12
45 辻子依旦 PONOS Racing 17 14
22 伊藤鷹志 RaiseUPF111/3MT 14 6
M 30 DRAGON B-MAX ENGINEERING FRJ 6 12
天候:曇り 路面:ドライ/ウエット
ファステストラップ:片山義章(OIRC F111/3) 1’26.987(17/18)
■序盤は塩津がリードも、第3戦も片山が他を圧倒
27日午後に行われた第3戦決勝のスターティンググリッドは、公式予選1のセカンドベストタイム順となり、ポールポジションは片山が獲得。続いて2番グリッドに塩津、3番グリッドに古谷、4番グリッドは三浦と第1戦、第2戦の表彰台メンバーが上位をキープした。
スタートでホールショットを決めたのは2番グリッドスタートの塩津。片山をかわしトップに浮上するとFRJ初優勝に向けてプッシュを続ける。しかし、2番手にポジションを下げた片山のペースは良く、塩津の背後でオーバーテイクの機会を伺う展開に。
そんななか、1周目のヘアピンで5番グリッドスタートのルッカ・アレンと4番グリッドスタートの三浦愛の2台が接触し、アレンはスピンを喫してしポジションを大きく下げてしまう。
塩津、片山の一進一退の攻防はレース中盤まで続いたが、8周終了時点で0.382秒差まで詰めた片山が、バックストレートでスリップから抜け出し、横に並ぶと、ヘアピンの進入でイン側をキープし、トップを奪え返した。さらに塩津は10周目の3コーナーでわずかにオーバーランした隙に古谷にもかわされ、3番手までポジションを落とすことに。
一方、マスタークラス首位を独走し、クラス3連覇も見えていた田中だったが、スタート手順違反によりレース結果に10秒加算のペナルティが課せられることに。3連勝を手にするにはクラス2番手に続くDRAGONに対し、10秒以上のギャップを築かなければならない状況の中、13周目のリボルバーコーナーでコースオフを喫し、戦線離脱となってしまう。
終盤、トップの片山に対し、FRJ参戦2年目の古谷がスパートをかけ、ギャップを1秒以内まで縮めるも順位は変わらず。第3戦決勝は片山義章がポール・トゥ・ウイン、2位に古谷、3位に塩津という表彰台。マスタークラスはDRAGONが今季初勝利を手にした。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第3戦岡山国際サーキット 決勝レース結果(編集部集計)
Pos M No Driver Car Name Laps Grid
1
6 片山義章 OIRC F111/3 18 1
2
28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 18 3
3
87 塩津佑介 Power s MP F111 18 2
4
8 三浦愛 ARTA F111/3 18 4
5
22 伊藤鷹志 RaiseUPF111/3MT 18 7
6 M 30 DRAGON B-MAX ENGINEERING FRJ 18 9
7 M 27 今田信宏 JMS RACING with B-MAX 18 8
8 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 18 12
9 M 34 三浦勝 CMS F111 18 13
10
1 L.アレン Sutekina Racing 18 5
11 M 7 畑享志 Super License 18 11
12 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 17 10
13
45 辻子依旦 PONOS Racing 16 14
M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 12 6
天候:曇り 路面:ドライ
ファステストラップ:古谷悠河(TOM’S YOUTH) 1’27.313(14/18)
*ゼッケンNo.39は、2021 FORMULA REGIONAL選手権 統一規則書 第31条 7.(スタート手順違反)により、決勝結果(18’01.414)に10秒を加算した。
3戦を終えてのシリーズポイントランキングは、片山が75ポイントで選手権をリード。2番手に54ポイントの古谷、3番手に40ポイントで塩津、4番手に39ポイントで三浦愛が続く。一方、マスタークラスは51ポイント獲得の今田がトップ、2番手に50ポイント獲得の田中、3番手に48ポイント獲得のTAKUMIと上位3名が3ポイント差の接戦が繰り広げられている状況だ。
2021年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ、第4戦〜第6戦が開催される第2大会は8月21〜22日にスポーツランドSUGOにて開催される。