コンパクト焚き火台の新スタイル! ZEN PIT「NEHAN」は直火感覚で楽しめる超軽量焚き火台

こんにちは。焚き火台はいくつあっても楽しい嬉しいくにぱぐです。新進気鋭の焚き火台メーカー「ZEN Products」から、まったく新しいタイプのコンパクト焚き火台が発売されました。その名は「NEHAN(ネハン)」。使ってみると、直火感覚の焚き火が楽しめるという、非常にユニークな焚き火台でした。今回はこの「NEHAN」のレビューをします。

【「NEHAN」の基本情報】A4サイズのコンパクトサイズ! 火床に薪を自由に並べる斬新な焚き火台

筆者撮影

2021年6月から発売になったZEN Productsの焚き火台「NEHAN」。

「NEHAN」とは「涅槃(ねはん)」という仏教用語がモチーフのようです。前作も「禅」を思わせる「ZEN PIT」ですので、ブランドイメージとしては一貫していますね。

サイズ感などもZEN PIT同様に、分解すればA4用紙1枚以下の仕舞いサイズ。しかも、重量770gと超軽量です。

パーツはわずか7点で、専用の組み立て動画を見れば誰でも数分で組み立てられる簡単さです。

組み立て時のサイズは縦横 29.5cm、高さ 8cm。

普通の焚き火台とは異なり、灰受けやロストルのような構造はなく、A4サイズを2枚並べたぐらいの、スリットのある板状の火床があるだけです。

この火床の上に、好きなように薪を並べたり組み上げたりして焚き火を行うという、直火(地面に薪を置いての焚き火)に近いスタイルが特徴です。

高さは8cmと低めですが、熾火や火の粉が落ちない限りは地面に熱さは伝わらない程度の距離感はあります。

低い位置で薪を並べて使うので、「直火じゃないけど直火が楽しめる」という感じです。

また、アイアンテーブルなど、燃えない素材の台の上に乗せれば、「高い場所で直火ができる」というような感覚も楽しめますね。

ZEN PIT「NEHAN」の魅力を4つ、紹介していきましょう。

ZEN PIT「NEHAN」の魅力を徹底レビュー!

筆者撮影

魅力1:軽量コンパクト! 徒歩キャンプなどでも荷物にならないサイズ感!

仕舞いサイズが実質的に紙1枚レベルですので、焚き火台としてはかなり小型の部類に入ります。リュックサックの隙間にも十分入りますので、徒歩キャンプなど、どういうスタイルのキャンプでも持参することができます。

私の場合、冬場は薪ストーブなどもあって、車中に焚き火台を詰め込むスペースがなかなか設けられないのですが、「NEHAN」であれば助手席のダッシュボードにも簡単に入ります。

また、小型軽量とはいっても、組み立て時のサイズはまあまああるうえ、ガッシリとした作りなので、買ってきた薪を細かく切ったりしなくても、すぐに本格的な焚き火が楽しめます。

小さすぎる焚き火台は、それこそ薪を細かく割ったり、拾った小枝などでないと使えない場合がありますが、こと「NEHAN」に関しては、そうした心配はまったくいりません。

なお、「NEHAN」にはピッタリのサイズのバッグがついてきますので、汚れなども気にせず運ぶことが可能です。

魅力2:まるで直火! 好きなように薪を組み上げて自由な焚き火ができる!

筆者撮影

「NEHAN」は正方形の金床だけの焚き火台ですので、薪の組み方は自由自在。小型焚き火台の多くが薪の並べ方をかなり制限してしまい、焚き火の面白さがわかりにくい構造にならざるを得ない中、これは大変素晴らしいコンセプトだと思います。

なお、金床には空気が通るようなスリットもありますが、単に金床に置いただけの薪を燃やすためにはこれだと酸素不足で、十分な火勢が得られません。

ですので、ある程度組み方は考えていきましょう。

使いやすさで言うと、2本の太めの薪を逆Vの字に並べて枕とし、そこに薪を乗せる形で燃やしていくのがよいでしょう。

この上に乗せた薪はとてもよく燃えます。枕の薪もゆっくり燃えていくので、最終的には大きな火勢になります。

また、1本の太い薪でも枕にはなりますし、細い薪をキャンプファイヤーのように積み上げたり、薪同士で支え合うように立たせる方法もあります。

組み方で火の強さや燃焼時間が変わってきますので、さまざまな方法を試してみてください。組み上げ方を楽しみ、火をいじり、火を育てるのは、直火の面白さそのものだと思います。

魅力3:小型だから卓上での焚き火も可能! 椅子に座りながら直火感覚が楽しめる!

筆者撮影

「NEHAN」は小型の焚き火台で形状も安定しているので、鉄製やステンレス製のテーブルに乗せて使用することができます。(※ 木製など燃えたり焦げ跡がつくものは使用しないようにしましょう)

▼ステンレス製のテーブル例

今回私は鉄製のテーブルに「NEHAN」を乗せて焚き火をしました。座面の高い椅子に腰掛けながら、直火のように火をいじる感覚は新鮮でしたし、とても快適でした。

「NEHAN」は薪の上にロストルや網を乗せれば調理や湯沸かしもできますが、そうした使い方をする時も、テーブルの上での使用は適していると思います。

魅力4:後片付けも簡単! 組み立てや分解はわずか数分!

筆者撮影

たった7つのパーツから作られるZEN PIT「NEHAN」。

公式の組み立て動画はわずか30秒ほどで、実際に30秒あれば組み立ては完了します。

後片付けも同様です。

ただし、組み立て時とは異なり、後片付けの際は焚き火台を完全に冷ましてから片づけるようにしましょう。火傷の心配もありますが、それ以上に金属が変形する原因になるからです。

水をかけたりするのは厳禁です。「NEHAN」は厚みの割りには頑丈なステンレス製ですが、熱した状態で水をかけると急激に温度が下がる際、金属が大きく曲がってしまいます。

なお、組み立て時、火床のパーツがなかなかうまくはまらないかもしれません。そんな場合は、公式組み立て動画のように先に足場のパーツを組み立てるのではなく、この記事の画像のように、火床に足場パーツを先にはめ込んでしまいましょう。こうするとたいした力をかけずに火床がしっかりとはまりますよ。

ZEN PIT「NEHAN」がオススメな方

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コンパクト焚き火台ZEN PIT「NEHAN」はこんな人にオススメです。

軽量装備でキャンプをしたい方

「NEHAN」の重さ770g、仕舞いサイズA4用紙1枚というサイズは、普通に使える焚き火台としてはもっとも小さいといっていいレベルです。

ナップザック1つで徒歩キャンプをするとか、バイクキャンプとか、そういう軽量装備でも、ほとんど邪魔にならない焚き火台だと言えます。

「普通に使える」というところが結構重要で、これ以上小さな焚き火台になると、使う薪が限られてしまうケースもあり、キャンプ場で売っている薪だと、鉈や斧で割ったりする必要が出てきます。
そうすると結局鉈や斧ぶんの荷物が増えるため、小型焚き火台にした意味が小さくなってしまうのです。

その点「NEHAN」は普通サイズの薪がそのまま使えるので、かなり気軽にキャンプ場に持ち込むことができますね。

普通の焚き火台では満足できない方

焚き火台はいまやたくさんの種類が出ていますが、これだけ小型でありながら、自在に薪が組めるような焚火台は他にはありません。

このため「NEHAN」は見た目のインパクトもあり、一見使い方がわからないぐらいの強烈な印象がありますが、それだけに「普通の焚き火台には飽きた」という人にはオススメです。

3つめ、4つめの焚き火台を物色している、という方にこそ、是非気に留めて頂きたい焚火台と言えますね。

ZEN PIT「NEHAN」をオススメしない方

コンパクト焚き火台ZEN PIT「NEHAN」ですがこんな人にはオススメできません。

初めて焚き火台を買う方

自由自在に薪を組めて使える、ということは、逆に言うと正しい薪の組み方が分かっていないと使いにくいと思います。

小さめのサイズもあって、熾や火が落ちやすい構造でもあり、風除けもしっかりしないと、火のついた薪が転がって落ちてしまうなどの扱いにくさは正直感じます。

この辺、慣れている人にはなんの問題もありませんが、ある程度焚き火の経験のない方だと、思わぬ事故を起こしてしまう可能性はあります。できれば最初はもっとオーソドックスな焚き火台を選んだほうが転ばぬ先の杖だと言えるでしょう。

2台目以降の焚き火台として選ぶほうが、「NEHAN」は楽しめると思います。

ご参考までですが、私は延焼の危険のない砂利サイトで、鉄製テーブルとアルミトレイを重ね、その上に「NEHAN」を置き、さらにウィンドスクリーンも立てました。

芝生サイトでキャンプをされる方

「NEHAN」は小型サイズで、薪の転がり落ちるのを避けるためのストッパーのような構造もないため、「熾や薪は必ず落ちる」と思っておいたほうがいいです。

ですので、仮にスパッタシート(難燃素材でできたシート)を下に敷いたとしても、火のついた薪がシートの上に転がった際、熱は地面に伝わります。

もちろん、砂利や土のサイトならすぐに薪を拾い上げれば特に問題はないのですが、これが芝生ともなると、ハイリスクです。気づかずに薪が落ちることだってありますが、そうするとスパッタシート越しに熱で芝生が傷むこともあるためです。

キャンプ場の芝生サイトは養生に大変な手間とお金がかかっており、キャンパーが焚き火で焦げ跡など残すわけにはいきません。このため、相当な工夫(例えば、レンガを敷きならべるとか)をしない限り、私は「NEHAN」は芝生サイトでは使用しないほうがよいと思います。

もちろんこれは「NEHAN」に問題があるというわけではありません。使い方と手間を天秤にかけた結果、土や砂利、雑草の上なら問題はないが、芝生の上での使用はリスクが高く、オススメしない、という意味です。

ZEN PIT「NEHAN」の評判・口コミ

ZEN PIT「NEHAN」はSNS上でもなかなかの注目アイテムのようです。

薪の組み方は皆さんかなり工夫されているようですね。

ZEN PIT「NEHAN」はこんな装備があると便利

筆者撮影

ZEN PIT「NEHAN」は、多少他の道具を揃えてから使うようにしましょう。最低限こんな装備があるといいと思います。

  • ウィンドスクリーン あるいは 壁テント
  • スパッタシート あるいは アルミトレイ
  • トング

ここまでも記載しましたが、どうしても火のついた薪が転がって落ちやすい構造なので、転がりにくいように風除けとしてウィンドスクリーンや、コットン素材の壁テントを用意しましょう。

スパッタシートやアルミトレイは灰が散らばらないように使いますが、燃えさしの炭とは異なり、灰は自然に害を及ぼすものでもなく、少量なら風雨ですぐに見えなくなってしまうものです。

そこまで神経質に「1つもこぼさないように!」などは考えなくて平気です。マナーとして、汚らしい灰の跡が残らないような使い方を目指しましょう。

なお、アルミトレイは100均でも買えます。専門店や通販でしか買いにくいスパッタシートと異なり、すぐに用意できるので結構オススメです。

あと、トング(火ばさみ)は、火をいじるためには必須です。これも必ず用意しましょう。

以下はあると便利なものです。

  • 火消しつぼ
  • ステンレス、鉄のテーブル

火消しつぼは残った燃えさしを入れ、蓋をして密封することで火を消します。「NEHAN」は構造上、小さな熾火でも目を離しにくいので、これがないと完全に鎮火するまで焚き火の前から離れられないことになります。

ステンレスや鉄のテーブルがあると、その上に「NEHAN」が置けるので、椅子に座って疲れない姿勢で焚き火を楽しめます。

また、着火は麻ヒモやファイアースターター(火打石)などでやると雰囲気が出ます。こうしたものを用意しておくのも、さらに盛り上がりますね。

使い方次第でよりディープな炎の世界を楽しめる「NEHAN」。是非、あなたなりの魅力を突き詰めてください。

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