バイオマスプラスチック製造のバイオポリ上越(新潟県上越市)がセイコーエプソンや東京大学などと新たなバイオマスプラスチック「パラレジン」開発へ

古米から製造された上越市指定ごみ袋

バイオマスプラスチック製造の株式会社バイオポリ上越(新潟県上越市)は、株式会社ユーグレナ(東京都)、セイコーエプソン株式会社(長野県)、日本電気株式会社(東京都)の3社を幹事企業とし、東京大学の岩田忠久教授を顧問とする新たなバイオマスプラスチック「パラレジン」を開発する「パラレジンジャパンコンソーシアム」の設立に参画、今月活動を開始した。

パラレジンジャパンコンソーシアムは、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)が体内に貯蔵するパラミロン(食物繊維)を使ったバイオマスプラスチックである「パラレジン」の技術開発、普及促進を目的としている。仕組みは古紙などの廃棄物由来成分を栄養分としてユーグレナを培養し、パラミロンを抽出して樹脂として製品化することができるとうもの。石油由来プラスチックを減少させることで、地球環境の脱炭素化の一役を担うという狙いもある。

このコンソーシアムは、工程を次の3つに分割し、各ワーキンググループに分かれて活動、上流は古紙などを糖に変える工程、中流はユーグレナ培養・パラミロン抽出工程、下流はパラレジンの規格化・製品化となる。バイオポリ上越は上流・下流の2つに属し、6月よりワーキンググループの活動を開始した。

バイオポリ上越の武田豊樹代表取締役社長は「このコンソーシアムでプラスチックを作ることで、プリンターなどの電化製品や日用品など今後2年くらいで商品化できるだろう」と話している。

バイオポリ上越は経営破綻した前身のアグリフューチャー上越を引き継いで2011年に設立され、東京の環境技術コンサルタント会社で企業再建を担当し、バイオポリの外部コンサルタントだった現在の武田社長が招聘された。当時、アグリフューチャー上越は赤字体質だったが、武田社長が就任以降、不良品管理の記録を徹底することなどで、設立後4年で黒字に転換した。

バイオポリ上越は会社設立以来、古米などからバイオマスプラスチックを製造し、上越市指定のごみ袋を年間200トン生産している。国内でもバイオマスプラスチックを量産できるのは同社を含めてわずか3社だという。

株式会社バイオポリ上越の武田豊樹代表取締役社長

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