五輪ビーチバレー 審判は救命救急士 延期、葛藤の1年…2年ぶり実戦「最高のパフォーマンスをサポート」 鹿児島・日置

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2019年7月、東京五輪プレ大会でラインジャッジをする黒岩健さん=東京・潮風公園(黒岩さん提供)

 7月23日開幕の東京五輪のビーチバレー競技で、鹿児島県の日置市消防本部救急係長で救急救命士の黒岩健さん(43)=同市日吉=が、審判員としてラインジャッジ(線審)を務める。新型コロナウイルスの影響で1年延期となり、実戦の機会も減った中での大舞台。地域や職場の応援を背に「正確な判定で試合を支えたい」と準備を重ねる。

 黒岩さんは高校でバレーボールを始め、大学時代に審判を志望。2017年にA級審判員を取得した。ビーチバレーの経験はないが、九州バレーボール連盟の推薦で東京五輪審判員の候補入り。国内の大会を中心に経験を積み、砂のコートや直射日光といった屋外特有の条件に慣らしてきた。

 東京・潮風公園の五輪会場で19年7月にあったプレ大会では、海外選手が出場する本番さながらの雰囲気を体験。同年秋、晴れて審判員に承認された。「五輪に関わる一生に1回のチャンス。胸が高鳴った」

 しかし20年に入り、コロナ禍で状況が一変。五輪が延期されたこの1年間、組織委のオンライン講習やリポート執筆でモチベーションを保った。県内であったバレーボールの試合で実戦感覚の維持に努め、海外勢とコミュニケーションを取れるよう英会話も学んだ。

 本番で最善を尽くすため努力する一方、開催を巡り賛否が割れる五輪に参加することへの葛藤もあったという。そんな中、6月に入り地元日吉の住民が、参加を祝う横断幕を道路沿いに掲げた。「胸を張って頑張る力をもらった。職場の理解も背中を押してくれた」と感謝する。

 五輪は黒岩さんにとって約2年ぶりのビーチバレーの実戦となる。7月24日から8月7日の長丁場だ。1試合当たり主審と副審、ラインジャッジ、スコアラーの8人で審判団を組み、どの試合を担当するかは当日決まるという。「世界最高峰の舞台で判定への責任も大きい。選手が最高の力を発揮できるようサポートしたい」と決意を語った。

東京五輪ビーチバレー競技でラインジャッジを務める黒岩健さん=日置市消防本部