「H群」サル完全駆除で神奈川・小田原市に苦情、意見130件「ほとんど県外から、仕事できない」

住宅の庭に出没する「H群」のニホンザル(小田原市提供)

 小田原市南西部で40年以上、住民らに危害を加え続けてきたニホンザルの群れ「H群」を同市が全頭捕獲による完全駆除を決めたことを巡り、同市に130件以上の苦情や意見などが殺到していることが28日、分かった。

 8割近くがサルの殺処分に対する抗議で市担当者は「ほとんどが県外からの電話で、仕事もできなくなるような状態」と頭を抱えている。

 H群は1970年代から同市早川、片浦地区に住み着き、農作物への被害や住民への威嚇などが続いていた。

 神奈川県が5月に「管理困難な群れ」と認定し、市は群れの全19匹を殺処分する方針を決めた。

 苦情はテレビ番組で相次いで取り上げられた22日以降急増。28日正午現在133件の電話やメールがあり、うち100件が「殺すのはかわいそう」「人間のせいで増えたサルを人間が殺すとは何事か」「市のやり方は傲慢ごうまんで冷血非道」などの内容で、ほぼ全て市外在住者からの電話だった。

 市広報担当者は「脅しのような電話もあり、精神的に追い詰められる職員もいる。サルの被害に苦しむ地元住民も多く、市は住民の安全も守らなければいけない」と理解を求めている。

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