長崎県内初 創成館高 サッカー1面分の”人工芝グラウンド”建設

創成館高の人工芝グラウンド「Sフィールド」の完成予想図

 昨冬の全国高校サッカー選手権に初出場した創成館高(長崎県諫早市、奥田修史校長)は28日、運動場(1万平方メートル)全面を人工芝に改修すると発表した。7月から夏休み期間を利用して工事し、9月中旬に完成予定。県内に人工芝グラウンドを所有する学校はあるが、ピッチ1面分を確保できる広さを持つ事例は初めて。公式戦と同様の環境で毎日練習できるため、部活動のパフォーマンス向上などが期待できるほか、体育の授業や運動会も芝の上で実施できるようになる。
 同校は選抜大会(春の甲子園)8強の実績がある野球部をはじめ、サッカー、陸上、バレーボール、各種文化部など、部活動に力を入れている。本年度は普通科に「アスリートコース」を新設。生徒がより専門分野に時間を費やせるようなカリキュラムを用意した。今回の「インフラ整備」で部活強化を加速する。
 中庭(2千平方メートル)も既に人工芝化を済ませており、総工費は運動場と合わせて約1億円。ピッチ1面分の建設費は一般的に1億円超が必要とされる中、作業工程を見直して経費を大幅に削減した。加えてリース契約を活用し、コスト面のハードルを下げている。
 サッカー部はこれまで、平日は公営の人工芝グラウンドに通う頻度が高く、予約が混み合う土日の練習場所確保に苦労していた。同校によると、昨冬の全国選手権に出場した47校中、自前の人工芝グラウンドがなかったのは3校のみ。久留貴昭監督は「イレギュラーなバウンドがなくなって、顔を上げてプレーできる。積極的なプレーを選択できるから練習の質が上がる」と完成を心待ちにしている。
 今回は学校法人奥田学園の創立100周年事業として実施。発表会見で奥田校長は「コロナ禍で子どもたちの多くの活動が制約されていた。屋外の活動が推奨される中、少しでも快適に伸び伸びできないかという思いで踏み切った」と意義を強調し、今後さまざまな学校行事で活用する方針を示した。第1弾として7月3、4日、新装した中庭で密を避けた形のオープンスクールを予定している。


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