「妙照寺」跡地を見学 謙信公の師・益翁宗謙の居寺 上越市 謙信公義の心の会

 謙信公義の心の会(石田明義会長)は27日、上越市大豆の春日山きのこ園周辺で6月の例会を開いた。謙信公が師事した益翁宗謙(やくおうしゅうけん)の居寺「妙照寺」跡地を見学。続いて石田会長が両者の関わりや「義の心」について講演した。

 謙信公は元服後の「景虎」時代、林泉寺七世住職・益翁宗謙の元に参禅。禅宗の教え「達磨不識(だるまふしき)」を説かれ、悟りを得たといわれている。

志賀さん(右)の案内により妙照寺跡地を見学した

 春日山城の古絵図などには、現在の春日山きのこ園周辺に益翁宗謙が隠居した妙照寺が描かれている。約10年前、同園代表の志賀茂さんが同所で古井戸(直径1・5メートル、深さ4メートル)を発見。以来、同寺跡地の調査・研究や林道の整備などを続けている。

 例会では志賀さんの案内により、古井戸や墓石の基壇部分、寺院跡地とされる約2000平方メートルの削平地などを見学。志賀さんは「はっきりと生活の痕跡が確認できる。跡地から春日山城本丸へ通じる古道(師弟の路)も見て取れ、謙信公と宗謙和尚のつながりを感じる」、石田会長は「宗謙和尚は謙信公の『義の心』を考える上でのキーマン。武田信玄への『情けの塩』も和尚の進言によるとされ、偉大な人物」と話していた。

© 株式会社上越タイムス社