鉄製扉の下敷きで死亡 事故前に町は県へ複数回修繕を要望していた 沖縄・本部港

 5月27日に本部港内の倉庫で男性が鉄製の扉の下敷きとなって亡くなった事故について、沖縄県は6月28日、本部町から扉を修繕するよう複数回にわたって、要望を受けていたことを明らかにした。県議会6月定例会一般質問で仲里全孝氏(沖縄・自民)に答えた。

 事故は本部港の倉庫で、扉を操作した際、重さ1トンを超える鉄製の扉が何らかの原因で倒れ、男性が下敷きとなった。県によると、事故が起きた倉庫は県の施設で、木材や飼料などを運び一時保管するために使用されていた。

 県は維持管理や施設の使用許可について、本部町に権限を移譲していたが、昨年1月以降、町から「扉が閉まりにくい」などとして修繕要望を受けていた。県は今年4月に専門業者から見積もりを取り、修繕工事の発注に向けて準備を進めていた。県警が事故原因を捜査している。

 県の島袋善明土木建築部長は「扉が閉まりにくい状況等がある中で、扉が倒れることは想定されず、使用禁止する判断には至らなかった。捜査の経過を見守りたい」と述べた。謝花喜一郎副知事は「あってはならないことが起きてしまった。捜査中とのことだが、原因を含めて、県としてもしっかり検証する必要がある」との見解を示した。

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