コロナ禍で黒字決算 龍神村森林組合

龍神市民センターで開かれた通常総代会(和歌山県田辺市龍神村安井で)

 和歌山県田辺市の龍神村森林組合(眞砂佳明組合長)はこのほど、龍神村安井の龍神市民センターで通常総代会を開いた。2020年度の決算や21年度の事業計画、役員報酬、定款の変更など、提出された10議案をすべて了承した。新型コロナウイルスの影響で、20年度は赤字予想の予算を組んでいたが、黒字となり、最終的に321万9千円の剰余金が出たことを報告した。

 冒頭で眞砂組合長が、外材輸入が激減して国産材の価格が上がっていることに触れて、スギの柱材が3倍になっている所もあると言っていたが、それは製品市場の流通量の1割ほどの話であることなどを述べた上で「国産材に風が吹いているので、これを生かしてしっかりとした供給をつくり、組合員の皆さんに喜んでもらえるようにしたい」とあいさつした。

 昨年度の事業報告では新型コロナの影響を受けて販売、製材加工などの部門で赤字となったが、当初想定したほどの影響はなく、森林整備部門が黒字となり全体の経営を支えた。また、国や県、市のコロナ関連の助成金で赤字幅が大きくなるのが抑えられた。

 販売部門のうち、木材共販所の実績は取扱量が2万5470立方メートル(前年度比72%)、売上額は約3億2088万1千円(同74.5%)、平均単価は1万2598円(同103.5%)だった。

 本年度の事業計画では、紀州材の特製を広く訴え、龍神材の需要拡大につなげるため、昨年度に続いて田辺木材共販所と「紀州材原木祭り」を開くことを計画。昨年度運用を開始した、インターネットを活用して産直住宅を販売するシステム「フォレスタイル龍神」を軌道に乗せることなども盛り込んだ。

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