特攻基地の歴史学ぶ 宮崎空港が修学旅行受け入れ

修学旅行で宮崎ブーゲンビリア空港を訪れ、特攻基地の講話を熱心に聞く新田学園小学部6年生ら

 宮崎市の宮崎ブーゲンビリア空港は24日、本年度初めてとなる県内修学旅行を受け入れた。訪れたのは新富町の新田学園小学部(池川由美校長、236人)の6年生40人。児童は、戦時中に海軍の特攻基地として使用された同空港の史実に理解を深め、次の目的地の青島に向かった。
 同空港のレセプションルームでは、宮崎特攻基地慰霊碑奉賛会の会員が戦時下に空港が整備され、同所から17~25歳の特攻隊員131人が飛び立ち、命を落としたことを解説。隊員の遺書を読み上げ、「宮崎に特攻基地があったことを忘れず、平和について考えて」と諭した。三浦裕愛さん(12)は「特攻隊員の数が多いのにびっくりした。遺書から家族を思う気持ちが伝わった」と感想を述べた。
 新型コロナウイルス禍で、県内の多くの小中学校は昨年度、修学旅行の行き先を県内に変更。本年度も同様の傾向が続くとみられており、昨年度に県内から16校を受け入れた同空港は現在、11月までに10校が訪れることが決まっている。
 同学園は例年、鹿児島県を訪れているが、昨年度と本年度は宮崎、日南、串間市に変更した。引率した後藤田武志教頭は「県内での修学旅行は郷土・宮崎を見詰め直すいい機会。子どもたちにとって初めて知ることも多く、意義があると感じる」と話していた。

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