ホテル・旅館の収入二極化 京都、競争激化で増収企業減る

 帝国データバンク京都支店は、京都府内に本店を置くホテルや旅館の2016年度の経営実態調査をまとめた。全体の収入高は前年度比4.2%増の1088億円だったが、増収企業の割合は14.3ポイント減の40.8%に縮小した。特に中小規模の宿泊施設で伸び悩みが目立った。

 調査対象147社のうち増収は60社。収入規模別の増収企業は、10億円以上50億円未満が12社中7社、5億円以上10億円未満が17社中10社といずれも半分を超えたが、1億円以上5億円未満は84社中32社、1億円未満も31社中10社で中小企業は30%台半ばにとどまった。同支店は「おそらく、ゲストハウスや民泊との垣根を越えた競合が激化したためだろう」と分析する。

 収入高トップは、ホテルグランヴィア京都(京都市下京区)などを運営するジェイアール西日本ホテル開発(同)の320億円(前年度比0.2%減)。2位は京都ホテル(中京区)で107億円(0.5%減)、3位は京都タワーホテル(下京区)などを経営する京阪ホテルズ&リゾーツ(同)で80億円(63.3%増)だった。

 今後について、同支店は「府内では20年ごろまでホテルの開業や開発計画が相次いでおり、集客競争が一段と激しさを増す。勝ち組と負け組の二極化が進むのではないか」としている。

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