しっぽ切り損なった? 高校教諭が発見 「二叉尾(にさび)」のトカゲ

指宿高校で見つかった二股の尾を持つニホンカナヘビ

 指宿市の指宿高校で尻尾が二つに分かれたニホンカナヘビが見つかった。体長約15センチで、二つの尻尾は6.5センチと3.5センチ。県立博物館によると、尾の自切と再生により起きる現象。実際に観察されるのは珍しいという。

 博物館の上舞哲也学芸主事(50)によると、トカゲやヤモリ、カナヘビは危険を察知すると自ら尾を切り、新たな尾を再生する。この際、尾が完全に切断されずに残ったり、鳥などにつつかれた傷口から新たな尾が再生されたりして、二股の尾になることがあるという。「二叉尾(にさび)」と呼ばれる。

 指宿高の澤田智子教諭(42)が23日、校内で見つけた。物理化学部員らが「色の異なる切断部分から二股に分かれているのではなく、その先から分かれているのが不思議」と観察を続ける。2年の有村絆さんは「突然変異なのか、遺伝子的な欠陥なのか、切れ方によってこうなるのか」と興味深そうに話す。

 上舞学芸主事は「突然変異のような特異な現象ではないが珍しい。二つの尾があることは生存に有利とはいえないので、いずれ自ら切断するのではないか」とみている。

二股の尾を持つニホンカナヘビを興味深そうに観察する高校生
指宿高校で見つかった二股の尾を持つニホンカナヘビ

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