瀬戸内町嘉徳の嘉徳川が白く濁っているとして、地元住民らが29日、原因の特定と対策を求める要望書を県大島支庁に提出した。
嘉徳地区は「奄美・沖縄」の世界自然遺産推薦区域に接する緩衝地帯。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は嘉徳川を「奄美大島で人工物がない唯一の河川」と評価し、川が注ぎ込む嘉徳海岸と一体的な保全を求めている。
川の上流近くには、陸上自衛隊瀬戸内分屯地があり、防衛省が大規模な弾薬庫を建設中。九州防衛局によると、工事現場に設けた調整池から白濁の原因となる物質が流れ出ていないか調べている。
地元住民によると、19~21日、高濃度の白濁が見られ、現在も軽度の濁りが発生している。大島支庁総務企画課の担当者は「内容を確認して関係課につなげる」と話した。
川を管理する瀬戸内町は「臭いや動物の死骸は確認されず、生活水の利用もないため、危険性はない」としている。