4番は元巨人の“お騒がせ助っ人” 侍ジャパンが五輪開幕戦を戦うドミニカの陣容は?

ドミニカ代表のホアン・フランシスコ【写真:ロイター】

通算1962安打のカブレラや166盗塁のボニファシオらベテランが中心

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は28日、東京五輪の組み分けとオープニングラウンドの日程を発表した。野球日本代表「侍ジャパン」はグループAに入り、世界最終予選を突破したドミニカ共和国と7月28日に福島で開幕戦を戦うことが決定した。

では、侍ジャパンと開幕戦を戦うことになったドミニカ共和国はどんなチームなのだろう。中国、台湾、オーストラリアの3か国が出場を辞退し、3か国で実施された世界最終予選を3勝0敗で勝ち上がり、東京五輪最後の1枠を勝ち取った。2013年にはWBCを制している強国で、監督は現役時代にジャイアンツ傘下のマイナーリーグに所属していたヘクター・ボルグ氏が務めている。

五輪本大会でのドミニカ共和国のメンバーはまだ決まっていないものの、五輪最終予選のメンバーがベースになることは間違いないだろう。世界最終予選のメンバー構成は、メジャーリーガーが出場できないため、メジャーリーグで実績を残したベテランと、現在主にマイナーリーグでプレーする若手を組み合わせた構成になっている。

最年長はブレーブスやインディアンスなどで通算43試合に登板したジャイロ・アセンシオ投手の38歳。オリオールズやパイレーツでメジャー42試合に登板した経験を持ち、元楽天のラダメス・リズ投手も37歳とベテラン。その一方で最年少はマリナーズ傘下でプレーするフリオ・ロドリゲス外野手の20歳。このロドリゲスはMLBのプロスペクトランキング全体5位に位置する有望株だ。

メジャー経験のあるベテラン&中堅に若手マイナーリーガーを加えた構成に

その中でも最も大物なのがメルキー・カブレラ外野手か。カブレラはヤンキースやホワイトソックスなどメジャーリーグで15年間プレー。通算1962安打&144本塁打を放ち、2012年にはオールスターにも選出され、首位打者争いも演じた大物だ。エミリオ・ボニファシオ外野手はダイヤモンドバックスやナショナルズ、エンゼルスなどで通算834試合に出場。166盗塁をマークしている。

ヤン・マリニェス投手はエンゼルスやブルワーズ、パイレーツなどで計103試合に登板。このほか、ダウェル・ルーゴ内野手やラモン・トーレス内野手、ダリオ・アルバレス投手、リサルベルト・ボニーヤ投手らもメジャー経験者だ。

また、日本と縁のある選手もいる。2015年に巨人に在籍し、“サヨナラインフィールドフライ”など問題児ぶりを発揮してわずか5試合で退団したお騒がせ助っ人のホアン・フランシスコ内野手の名前もあり、最終予選では4番を打っている。また、2017年に阪神に在籍し、2014年と2015年にレンジャーズとレッドソックスで計45試合に登板した経歴を持つロマン・メンデス投手も選出されている。

世界最終予選では初戦のベネズエラ戦で14安打10得点を奪って競り勝つと、決勝の同戦でも10安打で8得点で勝利している。ボニファシオを1番に置き、カブレラ、ロドリゲス、フランシスコと並ぶ上位打線を組んでいた。3試合でチーム打率.302、6本塁打を放ち、決勝の4回に一気に6点を奪っているように、打線がチームのウリと言えるだろう。

ここに米大陸予選には出場していたメジャー通算344本塁打のホセ・バティスタ外野手や元中日のラウル・バルデス投手らも加わる可能性がある。悲願の金メダルを目指す稲葉篤紀監督率いる侍ジャパン。福島で行われる開幕戦から強敵と顔を合わせることになりそうだ。(Full-Count編集部)

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