補助金返還や佐渡汽船支援9月めどに方策 「あかね」売却受け 上越市・村山市長

 上越市の村山秀幸市長は29日の記者懇談会で、佐渡汽船(本社・佐渡市)の小木―直江津航路に3月まで就航していた高速カーフェリー「あかね」の売却決定に言及。建造に当たり市が支出した補助金の返還や、同社に対する支援の具体的な方策について、市議会の次期定例会が行われる9月をめどに示す見通しを明らかにした。

「あかね」売却決定などについて記者懇談会で話す村山市長(29日、市役所)

 「あかね」は約58億円をかけてオーストラリアで建造された。平成27年4月に小木―直江津航路に就航したが、同社の経営改善策の一環として売却、ジェットフォイルに置き換える方針が示され、昨年10月に同社、県、上越市、佐渡市のトップ会談で合意していた。

 「あかね」はスペインのフェリー運航会社に30億5000万円で売却される。同社はこれにより、補助金として約8億1000万円を支出した佐渡市に約5億円を返還する。

 上越市が支出した補助金は約2億5000万円。村山市長は、返還を求める金額などについて「佐渡市の状況を見ながら、結論を出していきたい」とした上で、「一方では(補助金を)返していただく、一方では(同社を)支援するということが、9月議会で議論になってくると思う。いずれにしても、小木―直江津航路を維持するための取り組みを検討していきたい」との姿勢を示した。

© 株式会社上越タイムス社