東京五輪開幕まで1か月を切る中、五輪精神や理念を伝える文化プログラム「オリンピック・アゴラ」のオープニングイベントが30日、都内で開催された。
五輪史上初となる同イベントに出席した橋本聖子会長(56)は来賓あいさつのため登壇。マイクを手に「安心安全な大会実現に向けて、まい進していきたい」と、おなじみのフレーズを口にした。また、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)は「苦しい状況の中、明るい話題を提供したい」と話した。
現在、東京大会における新型コロナウイルス対策には様ざまな問題点が浮上。来日中のウガンダ選手団から変異ウイルス「デルタ株」の感染者が出た上に、濃厚接触者の特定と移送方法を巡って物議を醸している。不安がぬぐえない中、この日も橋本会長は「安心安全」という言葉を多用。これには五輪関係者から「もう使わない方がいい」「言えば言うほど安っぽくなる」との指摘もある。
開幕まで残り23日、求められるのは言葉ではなく結果。国民が安心できる開催へ、急ピッチの作業が必要だ。