台風で浸水の川崎・市民ミュージアム「被災リスク少ない場で再建を」 検討部会、答申案まとめる

台風19号で浸水し、岐路に立つ川崎市市民ミュージアム=同市中原区(写真は2018年当時)

 2019年の台風19号で浸水した川崎市市民ミュージアム(同市中原区)の在り方を考える市文化芸術振興会議の検討部会が30日に開かれ、引き続き美術館、博物館の機能を併せ持つ施設として、被災リスクを避けた場所に設置することが望ましいとする趣旨の答申案をまとめた。

 表現を調整した上で7月6日に振興会議に報告し、同月中旬にも市長に答申する。

 この日が最終回となった検討部会は、これまでの議論をまとめる答申案について議論した。

 福田紀彦市長の諮問は美術館と博物館機能について整理を求めたが、答申案では「両機能を併せ持つことで大きなシナジー効果(相乗効果)が期待できる」とし、従来通り両分野を融合した「ミュージアム」として打ち出した。

 一方、施設は現建物では再開せず、新たに浸水や土砂災害などの被災リスクが少なく、利便性が高い場所での再建を求めた。

 展示室と収蔵庫については「運営面から同じ施設内に整備することが望ましい」としつつ、別置することは「妨げない」とした。

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