エンゼルス・大谷翔平投手(26)の快進撃が止まらない。6月にマークした月間13本塁打は、ヤンキース時代の松井秀喜氏に並ぶ記録で、今季チーム79試合で28本塁打は、実にシーズン162試合で57本塁打ペース。しかも投手としても球速100マイル(160キロ)を連発するなど、とんでもない怪物ぶりで、全米を震かんさせている。その勢いはどこまで続くのか。もはや「評論不能」状態となっているネット裏も騒然としている。
「とにかくすごいとしか言いようがない。二刀流という誰もやったことがないことをやっているわけで、評論のしようがない部分もありますよね。何しろ比較対象がベーブ・ルースしかいないわけですから…。それでも彼のプレーは見ていて楽しいですよ」
メジャー中継解説者で本紙評論家の前田幸長氏は、大谷の活躍ぶりがとにかく楽しみだという。とはいえ、今季の大谷のプレーをこうも分析している。
「一番は体の不安がなくなったことが大きい。トミー・ジョン手術を経た右ヒジの状態が体になじんできて、不安なく腕を振ることができている。手術前よりもパワーアップしているし、打撃では打つポイントも近くなって、ノーステップ打法も完成形に近づいている印象です。以前に走塁中にハムストリングスを痛めたりしたことがありましたが、いい意味で常に全力疾走をしていません。アクシデントさえなければ、松井の31本塁打は間違いなく超えるでしょうね。技術とパワーは間違いなく松井の域にまで到達していますし、もしかしたらそれ以上かも。このまま50本塁打は行っちゃうと思いますよ」
だが、これだけ好き勝手に大暴れされたら、いつまでも黙っていないのもメジャーではないのか…。
「確かに攻め方は厳しくなってきていますよ。インハイを速い真っすぐで突かれる場面も増えてきましたし、ぶつけてもいいぐらいで投げてくる投手も出てくるでしょう。大谷くんを攻める場合、左投手なら外の速い真っすぐで勝負するのがいいと思うのですが、外一辺倒でも左方向へ持って行かれる。内側を意識させつつ…という感じで、右投手なら内角へのカッターが有効だと思います。ただ、高めも大根斬りのようなスイングでスタンドインさせていますし、とにかく弱点は少ない。155キロ超の直球をコーナーにきっちり投げ切ることのできる投手でないと、抑えるのは無理かもしれません」
そんな大谷にアドバイスを送るとしたら…。
「ケガには気をつけてねとか、いい奥さんをもらってねぐらいしかないですよ」(笑い)
大谷の異次元の活躍ぶりは、ネット裏の評論家たちの〝評論レベル〟をすでに通り越しているということか。