ティモ・シャイダーもセアト・イビーザで継続参戦。2021年WorldRX開幕戦は全17台集結

 ツーリングカー選手権でも積極的な活動を展開し、実業家の顔も持つレネ・ミュニッヒ率いるALL-INKL.COM Münnich Motorsport(オールインクルーシブ・ミュニッヒ・モータースポーツ)が、2021年のWorldRX世界ラリークロス選手権に向けたドライバーラインアップを確定。エースのティモ・シャイダーやレネ自身に加えて、ドイツ出身の女性ドライバーであるマンディー・アウグストを起用し、3台のセアト・イビーザRXスーパーカーを投入する。

 その発表2日後の6月30日には2021年のフルシーズンエントリーリストも公開され、アンコラプテッドから参戦のWRC世界ラリー選手権経験者ケビン・アブリングや、GRX-SETワールドRXチームのニクラス・グロンホルム、ティミー&ケビンのハンセン兄弟に、今季はアウディへの電撃スイッチを表明した3冠王者ヨハン・クリストファーソンなど、7月23~24日の開幕戦スペイン・バルセロナには全17台のRXスーパーカーが集うことが明らかとなった。

 スパ24時間やニュルブルクリンク24時間耐久レースで勝利を飾り、DTMドイツ・ツーリングカー選手権では2度のドライバーズチャンピオンを獲得するシャイダーは、2015年のここバルセロナでラリークロス世界戦にデビュー。2年後に同地で初の表彰台を獲得し、以降も毎シーズンのようにWorldRXへの挑戦を続けてきた。

 2020年は開幕戦ホーリエスで再びポディウムを獲得し、ランキング8位でシーズンを終えていたが、引き続き体制を維持して2021年の上位進出に意欲を見せる。

「バルセロナでシーズンをスタートするのはとても素晴らしいことだ。このイベントは2017年に初めて世界ラリークロス選手権で表彰台を獲得して以来、僕にとって特別なイベントであり続けているからね」と語った42歳のシャイダー。

「待ち時間が長すぎたし、すでにWorldRXの舞台から半年以上も離れている。そして今、こうして再びレースに戻るときがやってきたんだ!」

 そんなシャイダーの新チームメイトに抜擢されたアウグストは、長くラリークロス界で活躍を演じてきたベテランで、スーパー1600クラスでは2度のランキングトップ3を記録。2008年から2015年まではユーロRXに参戦し、フォルクスワーゲン・ポロやシュコダ・ファビアなど、RXスーパーカーのステアリングを握ってきた。

エースのティモ・シャイダーや代表レネ・ミュニッヒに加えて、ドイツ出身の女性ドライバーであるマンディー・アウグストを起用した3台体制を敷く
電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』では、コースダイレクター的役割の“Joker”も務める
XITE Racing(エキサイト・レーシング)のミニ・ クーパーSX1 RXスーパーカーは、開幕戦に向けカラーリング投票を実施中だ

■2021年WorldRXは7月23~24日にバルセロナで開幕

 そのミュニッヒ・モータースポーツが体制を発表した翌日には、イギリス出身のオリバー・ベネットもWorldRXへの“本格復帰”を表明し、再びエキサイト・レーシングのエントリー名で改良型ミニ・クーパーSX1 RXスーパーカーを走らせる。

「カタルーニャのグリッドに戻ってこれて、本当に興奮しているよ。ここは僕にとってもいい思い出がたくさんある場所なんだ。数年前に初めてWorldRXのイベントを見た場所だし、昨季はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のせいでこの1戦への出場のみになったが、なんとか準決勝に進むこともできた」と振り返るベネット。

「このオフの期間に僕のミニにはいくつかのアップデートがもたらされた。テストでのシートタイムを大幅に増やせたので、少なくとも再びセミファイナル進出に挑戦し、プッシュしてトップ10の結果を手にできることを望んでいる」と、コースダイレクターのシャイダーやティミー&ケビンのハンセン兄弟、そしてクリストファーソンらと同様に、電動オフロード選手権『エクストリームE』にも参戦中のベネット。

「しばらくラリークロスでレースをしていないから、この舞台に戻ってくるのが待ちきれない。本当に久しぶりの感覚だよ……」

 そのほか、WRC世界ラリー選手権で2度のワールドタイトルを獲得したマーカス・グロンホルム率いるGRX-SET ワールドRXチームは、すでに発表済みだった息子ニクラスとクリスティアン・サボーに加え、2度のユーロRX王者である元WorldRXレギュラー、ティマー・ティマジャノフを再起用し、3台目のヒュンダイi20 RXスーパーカーを託す。

 また、昨季のフィンランド・コウボラ戦では王者クリストファーソンに次ぐ2位フィニッシュを果たした期待の“フライング・フィン”、ユハ・リトコネンもフォード・フィエスタRXスーパーカーでの参戦を決めている。

 前述のとおり7月23~24日にスペイン・バルセロナで幕を開ける2021年のWorldRXは、ドイツ、スウェーデン、フランス、ラトビア、ベルギー、ポルトガルでの全8戦が予定されている。

クリスティーナ・ジャンパオリ・ゾンカ(左)とペアを組み、『HISPANO SUIZA XITE ENERGY TEAM(イスパノ・スイザ・XITEエナジー・チーム)』としてExtreme E参戦中のオリバー・ベネット
WRC世界ラリー選手権経験者ケビン・アブリングは、UNKORRUPTED(アンコラプテッド)のルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーをドライブする
タイトル奪還を期すティミー・ハンセンと、弟ケビンもプジョー208WRXスーパーカーで引き続きフル参戦を表明済み

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