新型コロナウイルスのワクチン接種で、神奈川県海老名市は1日から事前に研修を受けた救急救命士による接種を始めた。市などによると、救急救命士によるワクチン接種は全国初。
政府はワクチン接種で、打ち手の医師や看護師が確保できない場合に限り、研修を受けた救急救命士や臨床検査技師による接種を特例で容認している。市は市医師会の協力を得て6月に、救急救命士の資格がある市消防本部の42人に座学や実技の研修を受講してもらい、備えてきた。
1日に集団接種会場の北部公園体育館(同市上今泉6丁目)で接種を行ったのは救急救命士の猪熊剛士消防士長(34)ら3人。猪熊さんは「研修を受けていたので不安は払しょくされていた。市民が早期に安心した暮らしを取り戻せるよう、使命感を持って取り組んでいきたい」と話した。
猪熊さんから接種を受けた女性(72)は「説明が丁寧で、安心して任せることができた。看護師から打ってもらった1回目のときと違いはなかった」と話した。
市では今後、救急救命士42人が交代で接種を行うことにしている。