芭蕉が詠んだ富士山、音楽に乗せ 空撮動画で足柄の魅力PR

動画「芭蕉の見た富士」の曲作りをした春めき財団の古屋理事長(右)と空撮映像を編集した中島さん

 南足柄生まれの早咲き桜の普及活動をしている「春めき財団」(神奈川県南足柄市塚原)が、地元観光地の魅力などを伝える音楽動画を制作した。第1弾は俳人・松尾芭蕉が箱根で詠んだ富士山の句を基に、同財団の古屋富雄理事長(68)が作詞作曲し、外国人観光客向けに英訳も添えた。

 動画配信サイト「ユーチューブ」で公開している約7分の動画「芭蕉の見た富士」は、芭蕉について著作のある作家の見解からアイデアを得て制作した。

 歌詞は「箱根には霧が出ると見える富士があるという 江戸の頃松尾芭蕉はその富士を見たという」と結ばれる。古屋理事長は「実際には見られない幻想的な光景に興味を持ってもらえたら」と話している。

 曲とともに富士山や周辺の観光地も知ってもらおうと小田原市在住のドローン操縦士中島芳男さん(64)が空撮した動画を付けた。

 同財団では、生前葬などで上映する「セレモニービデオ」の制作を手掛けていたが、新型コロナウイルスの影響で制作取材が難しくなった。しかし、培った技術を活用して足柄地域の魅力をPR動画にしようと、1月から制作を始めた。

 今後、第2弾も検討しており、古屋理事長は「観光地支援の一環として、さまざまな文化や芸術を取り上げ、多言語の翻訳にも挑戦したい」と意気込んでいる。動画はユーチューブで「春めき財団」と検索すると見られる。

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