フェリー「うみてらし」就航 対馬・比田勝-博多 移動1時間短縮に

1日に就航した新造フェリー「うみてらし」=対馬市上対馬町、比田勝港

 九州郵船(福岡市)の新造フェリー「うみてらし」(1100トン)が1日、長崎県の対馬北部の比田勝-博多間で就航した。老朽化で更新された「フェリーげんかい」(675トン)と比べ速力が向上し、運航時間は約1時間短い4時間55分となる。バリアフリー設備も充実した。
 うみてらしの全長は81.79メートルで、旅客176人、乗用車43台を搭載できる。揺れや騒音を緩和する設計を取り入れ、プライバシーに配慮して小部屋を設けるなど、げんかいよりも快適さが増した。エレベーターや障害者用トイレなどバリアフリー設備も整備。大型化により、欠航率の低下も期待できるという。
 総工費は、約24億5千万円。船名は公募で決め、対馬市の市木、ヒトツバタゴの別名にちなみ、安全な航海を願う意味が込められた。
 第1便の出港を前に、同市上対馬町の比田勝港で内覧会と記念セレモニーがあり、比田勝尚喜市長は「運航時間の短縮は市民や観光客らにとって喜ばしい。交流人口のさらなる拡大が期待される」と述べた。終了後、九州郵船の竹永健二郎社長は「島の発展のためにこの船が役に立つといい。気持ち良く船内を楽しんでもらい、リピーターを増やしたい」と話した。

バリアフリー設備を充実させた、うみてらしの船内

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