IST、全面改良された「ねじのロケット」を7月3日に打ち上げ予定

【▲ 全面改良が施されたISTの観測ロケット「ねじのロケット」(MOMO7号機)(Credit: インターステラテクノロジズ)】

インターステラテクノロジズ(IST)は7月1日、観測ロケット「ねじのロケット」(MOMO7号機)の打ち上げを7月3日に実施する予定であることを発表しました。

ISTによると、ねじのロケットの打ち上げ予定日時2021年7月3日(土)11時ちょうど翌4日(日)が予備日となっており、打ち上げ可能時間帯7月3日11:00~12:2016:05~17:507月4日4:15~7:5011:00~12:2016:05~17:50とされています。打ち上げは北海道大樹町にある北海道スペースポートの打ち上げ施設「LC-0」(Launch Complex-0)にて実施されます。

今回の打ち上げは昨年に続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として完全無観客で実施され、見学場の封鎖と立ち入り制限区域の拡大が行われます。打ち上げの様子はISTの公式YouTubeチャンネルにてライブ配信される予定で、今回はIST初の試みとして機体に取り付けられたカメラからのリアルタイム映像も配信されます。

関連:インターステラテクノロジズ公式YouTubeチャンネル

ねじのロケットの打ち上げは1年前の2020年7月に2回試みられましたが、エンジンに組み込まれている点火器の不具合が検知されたことでいずれも自動停止(アボート)され、打ち上げには至りませんでした。また、2020年6月に打ち上げられた「えんとつ町のプペル MOMO5号機」では上昇中にエンジンノズルが破損。機体姿勢の乱れが検知されたことで、安全確保のためにエンジンを緊急停止する措置が行われています。

【▲「MOMO v0」のエンジン(左)と改良された「MOMO v1」のエンジン(右)(Credit: インターステラテクノロジズ)】

相次いだ不具合を受けて、ISTはMOMOの信頼性向上と能力増強を目的とした全面改良に着手。2つの機体で不具合が生じたエンジンを中心に、エンジンシステム全体の改善、ノズルの材質変更、アビオニクス(航空電子機器)の構成変更、地上側設備の高信頼化など、全体のメジャーアップデートが施されました。

従来型の「MOMO v0(モモ ブイゼロ)」に対して新型のMOMOは「MOMO v1(モモ ブイワン)」と呼ばれており、ISTが2023年度の初飛行を予定している超小型人工衛星打ち上げ用のロケット「ZERO」の開発に向けた技術実証も行われます。

【▲ ねじのロケットとISTファウンダーの堀江貴文氏およびIST代表取締役の稲川貴大氏(Credit: インターステラテクノロジズ)】

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なお、今夏にはISTとTENGAの共同プロジェクトによる、MOMOを用いた「TENGAロケット」の打ち上げも予定されています。

Image Credit: インターステラテクノロジズ
Source: インターステラテクノロジズ
文/松村武宏

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