ドラマのストーリーに感動すると同時に、OSTも数々の名シーンとともに深く心に残る──そんな中国時代劇ドラマをご紹介。音楽によってさらに気分が盛り上がる、とっておきのドラマを独断と偏見でおすすめします。

「太陽と月の秘密～離人心上～」（2020年）

キュートなヒロインとツンデレ将軍の恋を描く笑って泣ける時代劇ラブコメ。

時代劇らしい古風なバラードのオープニング曲『眠眠』を歌うのはイーサ・ユー（郁可唯）とフォ・ズン（霍尊）。フォ・ズンは高音の歌声が印象的な男性歌手で、日本の歌を数多くカバーしていることでも有名です。

また、ラブシーンを彩るのはベテラン歌手のアレン・スー（蘇醒）と若手女性歌手のイエ・シュエンチン（葉炫清）が歌う甘くて切ないデュエット曲『離人花』。

さらに、エンディングではルー・フー（陸虎）作曲・歌唱による現代的でポップな『小尾巴』が流れて、萌え萌えキュンとなります。

「晩媚と影～紅きロマンス～」（2018年）

女刺客の切ない愛と壮絶な戦いを描く時代劇ドラマ。アーティスティックなこだわりを感じる世界観とストーリーに圧倒される感動作です。

OSTも名曲揃いで映像と音楽のコラボレーションも素晴らしいの一言。主題歌『一生等你』を歌うのは日本での音楽留学経験のあるR&B系の歌姫ティア・レイ（袁婭維）。挿入歌『独歩』を歌うのは「花と将軍～Oh My General～」「麗姫と始皇帝～月下の誓い～」のOSTでも有名な実力派ツイ・ズーグー（崔子格）。

また、インストを担当するのは数多くの映画やドラマの音楽を手がけてきたドン・ドンドン（董冬冬）です。

「蒼穹の剣」（2018年）

天蚕土豆の人気小説をドラマ化したウー・レイ（呉磊）主演のファンタジー・アクション。

こちらも音楽を担当するのは「晩媚の影～紅きロマンス～」と同じくドン・ドンドン（董冬冬）で、主題歌はホア・チェンユー（華晨宇）作曲・歌唱の『寒鴉少年』。彼は「快楽男声（原題）」からデビューした新進気鋭の音楽アーティストで、昨年、日本からMISIAが出演したプロ歌手が歌唱力を競う音楽番組「歌手2020」で優勝を果たしました。

また、エンディング曲はX NINE（X玖少年団）のメンバー4人が歌うタイトルナンバーで、シャオ・ジャン（肖戦）の歌とグー・ジアチェン（伍嘉成）のラップも楽しめます。

「幻城 〜Ice Fantasy〜」（2016年）

人気作家・郭敬明（グォジンミン）の小説をドラマ化、西洋テイストの幻想世界で美男美女キャラが冒険を繰り広げるファンタジー。白髪のウィリアム・フォン（馮紹峰）とマー・ティエンユー（馬天宇）の美しさもさることながら、ワン・ドゥオ（汪鐸）、チャン・ユージェン（張雨剣）、シュー・コー（徐可）ら、のちに出世したイケメン俳優たちも楽しめるお宝作品です。

OSTも台湾を代表するビッグアーティストが参加。主題歌はジェイ・チョウ（周杰倫）作曲、ヴィンセント・ファン（方文山）作詞の壮大なバラードで、歌うのはジェイ・チョウとアーメイ（張恵妹）という豪華顔合わせです。

「蘭陵王」（2013年）

「狼殿下（原題）」を手がけた台湾のプロデューサー、フランキー・チェン（陳玉珊）が、2013年に大ヒットさせたウィリアム・フォン（馮紹峰）、アリエル・リン（林依晨）共演のラブ史劇。

主題歌を台湾の人気バンド、Mayday（五月天）が担当したことが、当時大きな話題となりました。そのほかにも、台湾のOSTの女王ディン・ダン（丁噹）、台湾のベテラン歌手で俳優のリッチー・レン（任賢齊）、出演もしている香港歌手ダニエル・チャン（陳曉東）など、C-POPファンにとって嬉しいメンバーがOSTに参加しています。

TEXT： 小酒真由子（フリーライター）

Edited：小俣悦子（フリーランス編集・ライター）