<金口木舌>地球守る、小さな一歩から

 新報川柳の入賞作にこんな一句がある。「レジ袋ケチって目立つ抱えた荷」。レジ袋が有料化され、数円の支払いでも惜しいと感じるのが人の心理。買い物時、マイバッグを忘れてしまい、商品を抱えて店を出た経験は誰にもあるだろう

▼レジ袋の有料化が全国の小売り店で義務化されてから1年たった。日本経済総合研究センターの調査によると、コンビニエンスストアでは客の4人に3人がレジ袋を辞退しているという

▼コロナ禍で新たな課題も出ている。外食の機会が減りテークアウトが増えたため、弁当の容器や肉トレーなどプラスチックごみも増えているという。こちらの有料化の話は聞かない

▼レジ袋を控えているのにプラスチック容器が増えている家庭があるかもしれない。国の調査ではペットボトルなどプラスチック製品を買わないようにしている人は3割にとどまっている

▼総菜の持ち帰りや宅配を利用する際の容器の有料化、容器を持参した人は割り引くなど手だてはある。ひと昔前の沖縄では、小売店の店主が切り分けた豆腐を持参した小鍋に入れ、持ち帰る習慣があった

▼こんな句もある。「身から出た錆に侵され温暖化」。一人一人の生活習慣が環境を壊していく。逆に言えばお互いの心掛け次第。私たちの暮らしと未来を守るためにレジ袋1枚、プラスチック容器1個、減らしてみてはいかが。

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