上越沖の日本海に存在が確認されているメタンハイドレートについて、民間シンクタンクの独立総合研究所（独研、東京都）を中心とするグループが２日から８日まで、上越沖と佐渡北東沖で海底調査を行う。
特に海底付近の潮流を調査し、海底で採掘機材を長期安定して固定する方法を検討する。
上越沖の調査は、直江津港から北北西に約５０キロの「上越海丘」と、その南に位置する「海鷹海脚」を中心とする海域で行う。使用する船は海洋エンジニアリング（東京都）所有の海洋調査船、第一開洋丸（１３９０トン）。
搭載したＲＯＶ（遠隔操作無人潜水機）を活用し、海底付近の映像解析やデータ採取を行う。採取したデータは、メタンハイドレートの年間生成量の推測や採掘時に機材を投下する場合、どの程度のアンカー（重り）が必要かを検討するための材料にする。調査には新潟大、東京海洋大といった大学の他、キタック（新潟市）をはじめ民間企業も参画している。
独研の青山千春社長（東京海洋大特任准教授）は２００４年から同海域の調査を続けている。２日の出航前、取材に応じ「政府は２７年を目標にしていたメタンハイドレートの商業化を前倒しして進める方針だ。（商業化に向けての）成果を持ち帰りたい」と話した。
