神奈川・小田原養護大井分教室 手作りわなでジャンボタニシ200匹捕獲 餌は段ボール

ジャンボタニシを捕獲するわなを回収する生徒ら=小田原市上曽我

 水田を食い荒らす外来種スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)の被害を食い止めようと、県立小田原養護学校大井分教室(大井町西大井)の生徒らが6月29日、小田原市上曽我の水田で駆除活動に取り組んだ。手作りのわなを水田に設置し、約200匹のジャンボタニシの捕獲に成功した。

 同市では北部を中心に約60ヘクタールの水田でジャンボタニシの発生が確認され、ここ数年で急速に被害が拡大している。駆除活動は養護学校生徒の職業体験の場として昨年からスタートした。

 わなはペットボトルに水切りネットを付けて約40個を製作。餌には段ボールやレタス、ぬか床をそれぞれ使用し、先月22日に約3千平方メートルの水田に設置した。

 1週間がたったこの日、生徒12人が田んぼの中に入ってわなを回収して回った。ぬか床を餌にしたわなでは最多30匹のタニシが“一網打尽”に。1年生の男子生徒(16)は「(ジャンボタニシの駆除で)少しでもコメを育てられる環境になればいい。自分もコメが好きなので農家の頑張りを実感できた」と振り返った。

 駆除活動に参加した地元農家の田邊周男(かねお)さん(75)は「3年前からジャンボタニシが現れるようになってあっという間に広がった。20アールの水田が全滅したこともあった。何万個という卵を継続的につぶしていくしかない」と話した。

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