約25年にわたり日本百名山の一つ、男体山(2486メートル)の登山を続ける栃木県鹿沼市武子、鈴木栄次(すずきえいじ)さん(65)はこのほど、史上2人目となる700回目の男体山登頂を成し遂げた。鈴木さんは「回数が目的ではないが、多くの人に祝ってもらえてうれしい。毎回真剣に登ってきた」と謙虚に話す。日光二荒山神社によると、登頂最多は佐野市の田名網忠吉(たなあみちゅうきち)さん(95)の1223回。
鈴木さんは会社員時代の1996年、男体山に初めて登った。虚弱体質でスポーツとは縁遠かったが、健康維持のために登山を続けるようになった。「登山は修行ではなく、健康のバロメーター」。2008年で登頂は累計100回、10年に200回を記録した。
退職後は登山機会が増加。16年に1シーズンで計95回登頂し、男体山の年間最多登頂記録を作った。17年は500回、19年は600回を達成した。
登山だけでなく、登山道の整備や山頂にある備品を補充するなどの奉仕活動も行っている。鈴木さんは「毎回これが最後だと思い登っているが、頂上に立つと次も頑張ろうという気持ちになる」と振り返る。
700回目の登頂は6月25日。午前6時すぎ、関係者と同神社中宮祠の登拝門を出発した。男体山の登山道は往復約12キロ。同10時半ごろ山頂に到着し、午後3時半に下山した。登山後は祝いの神事が執り行われ、同神社の中麿輝美(なかまろてるみ)宮司が記念品などを贈った。
鈴木さんは「今後も一回一回を充実させて登りたい。自分のペースで無理のない登り方や、しっかりした準備で身体が弱い人でも登れる」と話している。