サッカー欧州選手権で４強進出を果たしたデンマークの躍進の原動力になっているのが、初戦で心臓発作のアクシデントに見舞われたＭＦクリスティアン・エリクセン（２９＝インテル）だ。
デンマーク代表は３日（日本時間４日）、チェコ代表との準々決勝戦で２―１と勝利し、優勝した１９９２年大会以来２９年ぶりとなる４強に進出した。
開幕前は下馬評が高くなかったデンマーク。１次リーグ初戦のフィンランド戦では司令塔のエリクセンが試合中に心臓発作で倒れて生死の境をさまよう衝撃的なアクシデントが発生したが、そんな困難を乗り越えて驚異的な快進撃を続けている。
キャスパー・ヒュルマン監督はチェコ戦後に「私は毎日クリスティアンのことを考えている。彼はここにいるべきだった。彼が生き残ったことを嬉しく思う。この試合まで、そして（準決勝が行われる）ウェンブリーまでずっと彼を連れていく。（チームは）いつも彼のことを考えている」と現在は療養中のエリクセンの存在の大きさに言及。「このチームが見せた行動や思いやり、お互いの愛情を目の当たりにして信じられない気持ちだ」とエリクセンを襲った出来事でチームは動揺する一方で困難を乗り越えようとする一体感も生み出していると指摘した。
プレーこそできないが、エリクセンを中心に躍進を続けるデンマークがミラクルＶを成し遂げるか注目が集まる。
