【競泳】21歳になった池江璃花子「生きててよかったな」 闘病中の誕生日を振り返る

21歳の誕生日を日本記録で飾った池江璃花子

苦しんだからこそ感じたことがある――。競泳女子・東京五輪代表の池江璃花子(ルネサンス)は、4日に21歳の誕生日を迎えた。白血病の治療で入院中だった2年前の誕生日は、体調を崩し「すごくつらい誕生日でもあった」というが、2年のときを経て、再びプールでお祝いを受けた。

東京五輪まで残り約3週間。サマーチャレンジ記録会(4日、神奈川・さがみはらグリーンプール)に、池江ら400メートルリレーチームが非五輪種目の200メートルリレーに出場し、1分39秒67の日本新記録をマークした。

自らの誕生日に花を添える好記録。ガッツポーズで喜びを表現した直後、電光掲示板に祝福メッセージが映し出され、バースデーソングが会場中に響き渡った。まさかのサプライズに「涙もろいので、涙が出た。大好きなプールで誕生日を祝ってもらえるのはすごく幸せだなと思う。体調的には何の問題もないが、こうやって1年1年いろんなことがあって、毎回違う雰囲気の中で誕生日を迎えられるのは、よく頑張ってきたなって気持ちにもなるし、生きててよかったなと素直に思う」と笑みを浮かべた。

20歳の1年間はいろんなことがあった。7月には、国立競技場で東京五輪1年前セレモニーに参加。競技面でも8月に実戦復帰を果たすと、紆余曲折がありながらも、今年4月の日本選手権(東京アクアティクスセンター)では4冠を達成し、五輪切符を勝ち取った。

激動の1年を終えた池江は「すごくあっという間な1年だったけど、ちょっと長かったなっていう1年でもある。アスリートの自分、本来の自分が戻ってきたなっていう感じもあった。まだ病気をずっと引きずっている自分と、アスリートになった自分の両方を経験した20歳だったので、なんかすごいバタバタしていた1年でもあったが、今まで一番充実した1年だった」と感慨深げに語った。

とはいえ、池江にとってはスタートラインに立っただけ。「22歳になったときに誰にも負けないような強い選手になれるように、21歳はどんどんいろんな経験を日本代表でして、これからの競技人生につなげていけたら」。次は一体どんな奇跡を見せてくれるのだろうか。

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