【東京都議選】自民党〝惨敗〟 やっぱり出た「安倍&麻生W戦犯」説

麻生太郎財務相(左)と安倍晋三前首相

自民党は都議選で33議席と都民ファの31議席を上回り、何とか第1党に返り咲いた。しかし公明党の23議席と合わせても、勝敗ラインとした過半数に届かず、政権には大きな打撃となりそうだ。〝敗因〟は多数上がるものの、次期衆院選へ向け厳しい見通しとなってきた。

都議選に60人の候補者を立候補させた自民党は当初、50議席を見込める状況で、楽観論も出ていた。ところが告示日に麻生太郎財務相(80)が、入院した小池知事を「自分でまいたタネでしょう」と皮肉る発言でひんしゅくを買った。

さらに選挙終盤には安倍晋三前首相(66)が月刊誌の対談で「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、五輪の開催に反対している」と寄せたことが報じられ、ネット上で炎上する騒動もあった。

ただ元首相2人の発言はネット中心で、批判も限定的だったとみられる。自民党内では「小池知事にやられた」と、入院して都議選にはノータッチとみられた小池知事が選挙終盤で公務復帰し、最終日には酸素ボンベを傍らに置き、都民ファの応援回りをした姿に相当の同情票が入ったとみている。

また迫る東京五輪・パラリンピックでもいまだ開催に反対・再延期の声が4割に上り、無観客での開催を望む声が多い中、菅義偉首相(72)は観客の扱いについて、いまだに決断できないまま。

ワクチン不足による接種遅れも追い打ちをかけ、「自民党大勝での慢心」を心配した有権者からお灸を据えられたとの分析もある。

都議選に勝利し、五輪成功を経て衆院選へのVロードを描いていた菅首相だが、ダブル元首相の舌禍に加えて小池劇場にしてやられたことで、軌道修正を余儀なくされそうだ。

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