「政権への不満、ここまでとは…」 都議選苦戦の自民候補「総理への反響、肌で…」

都議選終盤の応援に駆け付け、拳を握りしめ声を枯らす岸田元外相(左から2人目)=3日、東京都品川区の武蔵小山駅前

 参院広島補選、静岡知事選など就任以来、敗北続きの菅義偉首相(衆院神奈川2区)は、今秋にも予定される衆院選の前哨戦とされた東京都議選でも苦戦した。自民党内からは「このままの体制で衆院選を戦えるのか」(閣僚経験者)との懸念の声も漏れる。逆風に直面した候補者らからは「説明不足が致命的だった」との戒めも聞かれた。

 「私たちは人の痛みが分かります。田中さんも私も悔しい思いを重ねてここまで来た」。コロナ禍で行われた都議選終盤の3日、品川区の武蔵小山駅前で返り咲きで4期目を目指す田中たけし氏の街頭演説会があった。地元の参院広島補選で苦杯を喫した岸田文雄前政調会長が雨中で拳を握りしめ、声を枯らした。

 定数4の品川区では前回選挙で都民ファーストの会の2新人が当選。田中氏が議席を失って自民の空白区となった。今回は丸川珠代東京五輪・パラリンピック担当相、下村博文政調会長ら閣僚や党幹部が続々と応援入り。しかし捲土重来(けんどちょうらい)はならず、田中氏と新人の公認候補が共倒れした。

 同氏は横浜市にある桐蔭学園高校の卒業生。菅首相地元の学校出身であることをチラシなどに明記した。選挙戦では「批判を含め総理へのさまざまな反響を肌身で感じた」という。

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