沖縄コロナ専門家会議の高山医師が辞任 クラスター公表の遅れ巡り

 沖縄県うるま市の県立中部病院で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)公表遅れを巡り、同病院の高山義浩医師が県の新型コロナ専門家会議の委員を辞任することが分かった。5日夜に開かれた専門家会議で辞任の意向を伝えた。

 中部病院では5月24日から6月17日までに患者と職員計51人の新型コロナ感染が確認され、病院の発表によると7月1日までにそのうち17人が亡くなった。

 クラスターの公表を巡っては、中部病院の玉城和光院長が7月1日の記者会見で、6月11日に公表に関する会見を開く準備を進めていたものの、前日10日に県病院事業局側から届いたメールが理由で取りやめになったと言及した。県病院事業局は7月2日、問題のメールの内容を公開し、県専門家会議の委員を務める高山氏からクラスターの公表基準が満たされていないとの指摘があったと説明していた。

 高山氏は5日夜の県専門家会議に先立つ県議会文教厚生委員会で、一連の問題について「私自身が公表基準に合致しないと指摘したことがきっかけで公表が遅れたのは事実で、責任はある。基準を作るお手伝いまでやる責任があったと反省している」と語った。県病院事業局と6月9日にやりとりした際、県がクラスターの事実を公表すべきことや、病院のホームページでも公表したほうがよいと申し入れたことも明らかにし、公表基準に関することだけが取り上げられ「少し残念に思う」とも述べた。 

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