二日酔い、失恋、推し…多様化する“休暇制度” の今

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月8日(火)放送の「フラトピ!」では、多様化する“休暇制度”を紹介しました。

◆優秀な人材を獲得するためにも有休は大事

コロナ禍で働き方も多様化するなか、休暇制度も変化。今回、そんな休暇制度の現状を紹介してくれるのは、NewsPicksのプロピッカーで働き方改革を推進する一般社団法人at Will Work代表理事の藤本あゆみさん。

日本では、1947(昭和22)年に定められた「労働基準法」によって有給休暇制度が導入。その目的は、疲労回復させてゆとりある生活を実現することでした。

厚生労働省のデータによると、有休取得率は年々緩やかに上昇しているものの、いまだに50%強。2019年には、1年に5日以上の有休消化が義務化されましたが、当時の政府は「2020年に有給取得率70%を目指す」としていたものの、実現できていないのが現状です。一方で海外、例えば、ヨーロッパでは有給取得率90%以上の国もあり「すごく差がある」と藤本さん。

キャスターの堀潤は「僕も会社員だったので、休暇を取ると言いづらい空気があったり、上司も頑張って働いていたり、それが進まない背景は肌実感としてある」と言い、「なぜ変わらないのか」と疑問を呈します。

これに藤本さんは、会社によって違うものの「20年前に比べれば取りやすくなった。(有休を)取らなくてはいけない、取るものだという論調に変わってきた感はある」と返答。さらには、「海外だと労働者の権利だけでなく、企業側が有休義務化を徹底しているので、日本も義務化がより徹底されるともっと変化が期待できる」とも。

一方、経営者でもある株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、有休に対し「働くなかに人生がある世代ではない。僕らは生きている人生のなかに働くことがあるので、有休の日数云々よりも、休みたいときに休みたいし、何かしたいときにそれが遮られるのが苦痛。これが続くと"この会社にいたくない”となりかねない。優秀な人材を取りたいならそういう制度は柔軟に作らざるを得ない」と言います。

◆さまざまな企業で導入されているユニークな有休制度

最近ではさまざまな休暇制度があり、その1つが「ワクチン休暇」。これは働く世代が業務時間内に接種できるようにする、さらには副反応への対応や家族の接種のサポートにも使える制度として各社導入を検討しており、すでに導入を発表している企業もあります。

その他にもユニークな休暇制度はたくさんあり、例えば「エフ休」。これはいわゆる「生理休暇」のことで、名称として言いづらい、使いづらい部分があるため「エフ休」と名を変え導入されている事例があります。

また、年に2回取得できる「二日酔い休暇」という休暇もあり、「これがあると少し気持ちに余裕ができる。当日の朝の連絡で良いというのもポイント」と藤本さん。

さらには、「失恋休暇」なるものも。これは世代によって日数が違い、藤本さんは「気持ちをリセットする意味でも、こういう制度があるのはいい。休みやすくするというところでは大事」と指摘。ちなみに離婚の場合も取得可能で、近いところでは「プロポーズ休暇」もあります。

そして最後は、一時期メディアに取り上げられ話題になった「推し休暇」。これは、アイドルのライブに行くための休暇が取れるというもので、最大10日間、遠征費として補助金が支給されるなど「パーソナルライフの部分をよりサポートし、結果的に働きやすくする支援をしている」と評します。

古井さんの会社にもユニークな休暇制度が。それは海外に恋人がいるスタッフのために設けた「彼女に会いたい休暇」。コロナ明けに渡航可能となった際、恋人のいる現地に行き、休み+リモートで働くことで1ヵ月程度現地に滞在することを会社的に認めるというもの。そんな独自で柔軟性のある休暇制度を、藤本さんは「すごくいいと思います」と高く評価。「そうして働いて成果が出せるのであれば、お互い"Win-Win”なので、そういった制度やサポートがあるのは働く人にとってはすごくポイントが高い」と絶賛していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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