59歳以下ワクチン接種 長崎市、供給減で新規予約先送り 集団会場も縮小

長崎市のワクチン接種スケジュール

 長崎市の田上富久市長は5日、臨時会見を開き、新型コロナウイルスワクチンの供給量が減少しているとして、21日以降に開始予定だった59歳以下(優先接種対象者以外)の新規予約を先送りすると発表した。開始時期は未定。1回目を終えた接種者の2回目分を確保するための措置。個別接種の新規予約は全ての年代を一時停止し、集団接種会場も2カ所に絞る。
 市によると、既に予約した人の接種日、接種会場に変更はない。
 個別接種は20日までで新規予約の受け付けを停止。集団接種は7日まで現在の8カ所で予約を受け付け、8日からは南部市民センター(末石町)と長崎大(文教町)の2カ所にする。
 市は65歳以上と60~64歳に接種券を発送済み。優先接種対象者はこの年齢層以外に、基礎疾患がある人、高齢者・障害者施設の従事者、小中学校の教職員、保育士、障害者施設入所者などが該当する。59歳以下には、7月中旬までに年代別に順次発送する予定。
 当初、集団接種は21日から、個別接種は同日から年代順に予約を受け付ける計画だった。しかし、7月後半に国から供給されるファイザー製ワクチンは当初の52箱(約3万人分)から17箱(約1万人分)に減った。モデルナ製への切り替えを計画していたが、職場接種の増加で供給が不透明となり、8月もさらなる減少が見込まれるとして、接種計画を一部見直した。
 田上市長は会見で「供給量とスケジュールが読めない中、現場は混乱している。影響が市民に及ばないよう接種スピードの調整が必要になった」と説明。遅れが生じるものの、国の目標でもある10~11月の終了を目指す方針を示した。
 予約済みの人や既に1回目の接種を終えた人に変更がない点も強調。今後、新規予約する人も市ホームページなどで最新情報を確認するよう呼び掛けた。国に対して、田上市長は「規模や医療状況は各自治体で異なり、現場の状況をよく理解してもらいたい」と述べ、供給スケジュールの早期開示も改めて求めた。

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