公明党はなぜ選挙に強い?創価学会との関係は?!乙武洋匡が斉藤鉄夫議員に迫る!

選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。

今回は2020年7月26日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは公明党・斉藤鉄夫幹事長(当時)です。公明党の選挙の秘密や創価学会との関係について伺いました。

 

政教分離原則をどう捉えてる?

最初の話題は、公明党と創価学会との関係について。「政教分離原則に反しているという意見もよく出るが、公明党の解釈を説明してください」と乙武氏。これに対し斉藤議員は、政教分離原則について規定している憲法20条の内容も用いて説明します。

「憲法には、“国家権力が “ひとつの宗教団体に肩入れするようなことがあってはならないと書かれてある。これは国家権力に対して書かれた内容であって、“宗教団体が“政治に対して意見を言ったり、政党をつくることについて禁じているものではない」と話します。

そのうえで、「公明党は、社会全体と自分の幸福が一致するような社会をめざして活動しており、なんら憲法に反するものではない」と説明しました。

 

公明党が選挙に強い理由

公明党は選挙が強い!」と話す乙武氏。票割りのうまさも高く評価しました。そんな公明党の強さの秘密はどこにあるのでしょうか?

斉藤議員は、「公明党はボランティアの人に応援してもらっている。実現したい政策に対し、お金や時間をかけて自発的に応援していただいているのは本当にありがたい」と感謝の気持ちを述べ、「だからこそ、我々は社会全体と自分の幸福が一致するような社会を実現するために、真剣に政策を考えて打ち出さなくてはならない」と話しました。

「年代が下がるにつれ、どこの組織にも属さない若者が増えてきている」と話す乙武氏。公明党にも影響が出そうなこの話題を、どのように捉えているのでしょうか?

斉藤議員は、「そのことは半分懸念し、半分楽観視している」と話します。「創価学会としても会員の政治活動や投票行動は自由だ。若い人に向けては、理念を持って政治に関わることがいかに大切かということを訴えたい。若い人からも応援していただけるような政党にならなければいけない」と話しました。

また、公明党は政党支持率こそ低いものの、比例代表制での選挙の得票率は比較的高いのだそう。斉藤議員は、「これは多くの無党派層に投票してもらっているあらわれだ。魅力あるビジョンや政策を示すことで、いかに無党派層に投票してもらえるかが大切です」と話しました。

 

公明党の候補者になる人は、ある日突然声がかかる?

乙武氏が、「“自民党の暴走を防ぐために、ある程度公明党にも議席を持ってもらわないと困る“という理由で公明党に投票している人も多いのでは?」と話すと、「そういう役割もしっかり果たさないといけないと思う」と斉藤議員。

そんな公明党の候補者は、どのようにして選ばれるのでしょうか。実は、斉藤議員はもともと政治家になるつもりがなかったのだとか。

清水建設でのサラリーマン時代、会社の制度を使ってプリンストン大学へ留学していた際に、当時、公明党の参議院科学技術振興対策特別委員長をしていた塩出啓典議員が視察に来られ、そのときの縁で数年後に突然、「選挙に出ないか?」と誘われたのだそう。

実は、斉藤議員のように“声がかかって“公明党の議員になる人は少なくないようで、乙武氏の知人にも同様のケースの議員がいるのだとか。

「現在、この人を公明党から選挙に出したいなと思っている人材はいますか?」と乙武氏が尋ねると、「いろいろな方に会っていると、議員になって欲しいと思う人はたくさんいる」と斉藤議員は話します。創価学会員以外の人をスカウトすることもあるのだそうです。

公明党の候補者が「粒ぞろい」な理由

乙武氏は、「政治に関わっている人であればあるほど、公明党の議員に対する評価が高い。粒ぞろいで、よく勉強しているのは公明党の議員だという意見をあちこちで聞く」と紹介します。

不祥事も失言も少ない公明党の議員は、どのような教育体制のもとに学ばれているのでしょうか。斉藤議員は、「議員としての自覚、不注意で事故を起こさないためのお金の話、有権者に対する姿勢など、候補者になった段階からしっかり教育をしています」と説明。

「我々は有権者のボランティアによって議員にさせてもらった。そのような方々も含め、全員が幸せになるために仕事をしているんだという理念の教育をしっかり行っている」と話しました。

斉藤鉄夫氏プロフィール

1952年島根県生まれ。清水建設勤務を経て1993年7月、旧広島1区より衆議院議員に初当選。2017年に実施された第48回衆議院議員選挙では比例中国ブロックより当選。工学博士、東京工業大学大学院理工学研究科応用物理学専攻修士課程修了。現在は公明党の副代表、総合選挙対策本部長、憲法調査会顧問、税制調査会顧問、広島県本部顧問を務める。

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